映画『ユリゴコロ』は、「人を愛すること」と「人を殺したくなる衝動」が同じ場所から湧き上がってくるような、不穏で切ないミステリードラマです。
余命宣告を受けた父の書斎で、一冊の古びたノートを見つけた青年。
ページをめくるたびに明かされる過去の告白が、現在の自分の人生と静かにつながっていく感覚がゾクッとします。
吉高由里子が演じる美紗子は、どこかこの世ならざる儚さと、近づくと危ない匂いを一緒にまとった女性。
松山ケンイチとの絡み合う視線や、肌が触れ合う濡れ場では、二人の距離が一気にゼロになる瞬間の息づかいまで伝わってきて、目が離せません。
優しさと狂気、救いと破壊衝動が同じ身体の中で同居しているような彼女の生き方に、観ているこちらもいつの間にか引きずり込まれてしまいます。
ラストに向かって少しずつ「真実」が形を帯びてくる過程は、重いのに一気に見てしまう中毒性がありました。
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目次
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映画『ユリゴコロ』あらすじ紹介
映画「ユリゴコロ」は、一本のノートから過去と現在が絡み合っていく物語です。
ある日、父の書斎を整理していた青年が、一冊の古いノートを見つけます。
それは一見、誰かの日記のような、淡々とした文章で綴られた告白でした。
読み進めるうちに、それが「家族と深く関わる人物」が書いたものだと分かり、彼の中で日常が少しずつ音を立てて崩れ始めます。
そこに記されているのは、普通の人なら口にすることさえためらうような、血の匂いのする記憶でした。
ノートの語り手として浮かび上がってくるのが、吉高由里子演じる美紗子。
幼い頃から「人が死ぬ」ということにどこか異常な興味を抱き、自分の中にある“普通でなさ”に気づきながらも、それをどう扱えばいいのか分からない女性です。
やがて彼女は、とある男と出会い、恋をし、初めて「誰かを生かしたい」と思うようになります。
その男が松山ケンイチ演じる洋介。
ぶっきらぼうなのに不思議と温かい、彼の存在が、美紗子にとって唯一の“居場所”になっていきます。
しかし、彼女の内側に巣食った暗さや、自分を責め続ける感情は簡単には消えません。
誰かを守ろうとするほど、過去の罪や残酷な記憶がよみがえり、彼女を追い詰めていきます。
映画は、熊澤尚人監督らしいしっとりとした映像で、血の色や水面、雨粒まで美しく切り取っていきます。
残酷な場面でも、あえて全てを見せずに、光と影のコントラストで想像させてくるので、余計に胸がザワザワします。
ノートを読む青年の現在パートと、美紗子の過去パートが丁寧に交差していくことで、「誰の人生が誰とつながっているのか」が少しずつ見えてきます。
その過程で、登場人物たちの罪悪感や愛情、どうしようもない業が、静かに積み重なっていきます。
単なるサスペンスとして事件の真相だけを追いかけるのではなく、「自分の中の暗い部分とどう向き合うか」という、人間誰しもが抱えるテーマに踏み込んでくるのがこの作品の特徴です。
吉高由里子の不安定さと、松山ケンイチ、松坂桃李らキャスト陣の存在感が重なり合うことで、物語はただの“仕掛けもの”ではなく、生々しい人間ドラマとして迫ってきます。
観終わったあと、しばらく頭の中でシーンを反芻してしまうタイプの映画です。
映画『ユリゴコロ』基本情報・キャスト
| 評価 | 3.6 |
|---|---|
| 公開日 | 2017年9月23日 |
| 上映時間 | 128分 |
| 監督 | 熊澤尚人 |
| 脚本 | 熊澤尚人 |
| 原作 | 沼田まほかる |
| キャスト | 吉高由里子,松坂桃李,松山ケンイチ,佐津川愛美,清野菜名,清原果耶,木村多江 |
| 製作国 | 日本 |
映画『ユリゴコロ』見どころ3選！
吉高由里子の魅力が際立つ演技
吉高由里子の美紗子は、とにかく目が離せません。
ちょっとぼんやりしているように見える瞬間と、何かを決めたときの冷たい目つき。
その振れ幅が大きくて、「この人の頭の中で何が起きているんだろう」とずっと考えさせられます。
恋人に向ける柔らかい笑顔と、血の匂いがするような残酷な行動を取るときの顔が同じ人間から生まれているのが怖くて、それでも魅力的なんですよね。
濡れ場でも、ただ肌を見せるだけでなく、肩の力が抜けていく感じや、密着したときの微妙な表情の変化がしっかり映っていて、「この人、本気で誰かを求めてるんだな」と伝わってきます。
首筋をなぞられたときにわずかにビクッと反応したり、胸元が上下する呼吸の速さが変わったりと、フェチ目線でもかなり見応えがあると思います。
吉高由里子の濡れ場が見れる映画！↓
エロさもある大人のドラマ
「ユリゴコロ」はサスペンスの顔をしながら、ところどころに大人のエロスが差し込まれています。
恋人同士が触れ合うシーンでは、激しく求め合うというより、肌を撫でる手つきや、腰をそっと寄せていく距離感がエロいです。
ベッドの上でシーツに埋もれた脚の絡み方や、胸元が少しだけはだけて乳首の輪郭が分かる程度に見えたりと、“全部は見せないのに十分にムラムラさせてくる”タイプの演出でした。
キスのあとに一瞬だけ間を置いて、吐息がふっと漏れるカットや、汗でうっすら光る肌もフェチ的に刺さる人は多いはずです。
物語のテーマが重いぶん、こうしたエロティックなシーンが単なるサービスではなく、「生きている証」として効いているのが大人向けだなと感じました。
エロティックなシーンが見れる映画！↓
画面から目が離せない展開
ストーリー展開も、じわじわくるタイプながら、気づけば最後まで一気見してしまう力があります。
ノートの内容から「なんとなくオチはこうかな」と予想できそうな場面もあるのですが、その途中途中で挟まる登場人物たちの行動や選択が予想以上に重くて、簡単には割り切れません。
松坂桃李のどこか不気味な存在感も効いていて、彼が画面に出てくるだけでちょっと身構えてしまいました。
ところどころグロめの描写もあり、血の色や遺体の扱い方など、苦手な人は目を背けたくなるかもしれません。
それでも、そうしたシーンが単なるショック演出に留まらず、人物の心の闇を形にしたものとして機能しているので、不思議と「無駄な残酷さ」には感じませんでした。
静かなシーンと、胃がキュッとなるようなシーンの緩急がしっかりしているので、ラストまで集中力が途切れない作品です
映画『ユリゴコロ』エロい濡れ場やヌードシーン
吉高由里子の濡れ場シーン
「ユリゴコロ」での吉高由里子の濡れ場は、ただエロいだけじゃなく、見ていて妙に胸がざわつくシーンが多いです。
彼女が演じる美沙子は、どこかこの世から半歩ずれているような儚さと、近づくと危ない気配を同時にまとっていて、その目つきや体の力の抜け方ひとつで空気が変わります。
ベッドに沈み込む瞬間、シーツに沿って柔らかく揺れる胸元や、ふっと見え隠れする乳首のラインがかなりフェチ度高めで、思わず目がピタッと止まってしまいました。
肌と肌が密着して、相手の肩に指が食い込むようにビクッと震えるカットなんかは、単なるサービスショットというより、彼女の中の孤独や狂気がそのまま体に出ちゃっているように感じられます。
吐息まじりの声と、少し汗ばんだ首筋のテカりまで丁寧に映し出されていて、「吉高由里子、ここまで攻めたんだな」と素直に感心させられる濡れ場でした。
SEXシーンのこだわり
この映画で描かれるSEXシーンは、単に男女が絡んでいるだけ、という軽さではなく、ちゃんと美沙子の歪んだ欲望とつながっているのが伝わってきます。
相手にまたがるときの腰つきのゆっくりした揺れや、脚を絡め取るようなムチムチ感、指先で相手の肌をなぞる仕草など、細かいところまでこだわって撮られていて、見ているこちらもつい息を飲んでしまいます。
カメラが胸元をなぞるとき、乳首の存在がはっきり分かるギリギリのラインで止めてくるのがまたニクくて、「そこから先は想像してね」と言われているようなエロさでした。
快楽だけじゃなく、どこか悲しさを滲ませた表情で相手にしがみつくカットも多くて、汗でしっとりした肌と、乱れた髪が顔に張りつく感じが生々しいです。
一見ただのSEXシーンなのに、終わったあとに残るのがヌケ感じゃなくて虚しさだったりするので、エロとドラマがちゃんと同じ方向を向いている印象でした。
エロティックな化学反応
吉高由里子と松山ケンイチの組み合わせは、正直かなり強いです。
ただ寄り添って座っているだけのシーンでも、肩と肩がほんの少し触れている距離感から、じわじわとエロい緊張感が伝わってきて、見ているこちらまで体温が上がってくる感じがしました。
ふとした瞬間に手首をつかんで引き寄せる動きや、うなじに落ちる視線、耳元でささやくような吐息など、いちいちフェチを刺してくる描写が多くて、画面の端々まで目が離せません。
ベッドシーンでも、激しい動きよりも、胸が上下する呼吸の速さや、脚を絡めて離さない密着感、腰の微妙な揺れが強調されていて、派手な音よりも二人の静かな吐息が耳に残ります。
吉高由里子のエロさと、松山ケンイチの包み込むような存在感がぶつかり合って、生々しいのにどこか切ない濡れ場になっているのが印象的でした。
映画『ユリゴコロ』予告編
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映画『ユリゴコロ』感想
吉高由里子の独特な役どころ
「ユリゴコロ」の吉高由里子は、個人的にこれまで見た中でもかなりクセになるタイプの役でした。
人の死に安心感を覚えるって、言葉だけ聞くとただのサイコパスなんですけど、吉高由里子が演じると、そこに妙な純粋さが混ざっていて「この人、怖いけど嫌いになれないな」と思わされます。
目線の動かし方や、小さく笑うときの口元のゆがみ方ひとつで、彼女の中にある狂気とピュアさの両方がにじみ出ていて、ずっと観察してしまいました。
普通のヒロイン像とはかなり遠いのに、気づけば美沙子のことばかり考えてしまう…そんな不思議な後味を残してくれる役どころだったと思います。
一筋縄ではいかない物語
ストーリーについては、「よくあるミステリーかな」と気軽に見始めたら、思った以上に心にズシッとくるタイプでした。
過去と現在が交互に描かれていく構成なので、最初はちょっと混乱しそうになるんですが、ノートの内容と今起きていることが少しずつリンクしていく感じが気持ちよくて、途中からは「早く次のピースを見せてくれ」と思いながら見ていました。
恋人の失踪、病気の父親、そして日記に書かれた残酷な出来事…全部がバラバラに見えて、実は一本の線でつながっていたと分かるあたりで、静かにゾワッときます。
観終わったあと、「あの場面のあの表情って、そういう意味だったのか」と後から気づくことも多くて、一回で終わらせるのがもったいない物語だなと感じました。
感じる狂気とピュアさ
この作品、怖いといえば怖いんですけど、それ以上に「人ってこんなにも不器用なんだな」と思わせてくれる映画でした。
登場人物それぞれが、どこか壊れかけていて、でも誰も最初から悪人ではないんですよね。
自分を守るためだったり、大切な人を守るためだったり、その選択の結果がああいう形になってしまっただけで。
時々かなりグロテスクな描写もあって、血の色や暗い部屋の匂いまで感じそうなシーンでは、正直目をそらしたくなる瞬間もありました。
でも、その不快感も含めて、この作品のリアルさなのかなと。
狂気とピュアさが同じ人間の中で同居している様子を見せつけられて、「自分だったらどこまで耐えられるんだろう」とちょっと考え込んでしまいました。
後味は軽くないけれど、観て良かったと思える一本です。
映画『ユリゴコロ』まとめ
『ユリゴコロ』は、日記という小さな手がかりから、人の心の暗い底と、そこに差し込むわずかな光を追いかけていく心理ミステリーです。
吉高由里子をはじめとするキャストの体温を感じる演技と、静かで美しい映像が合わさって、単なるサスペンスではない重みのある人間ドラマに仕上がっています。
グロさや重さもあるので気軽に「スカッとしたい」気分のときには向きませんが、じっくりと深い物語に浸りたいときには、とても刺さる作品だと思います。
自分なりの答えを探しながら観てほしい一作ですね。
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