映画『ビジランテ』は、家族という逃げ場のない関係の中で、暴力と欲望がじわじわ噴き出していく地方都市を舞台にした、かなり生々しいドラマです。
30年ぶりに姿を現した長男の帰郷をきっかけに、三兄弟がふたをしてきた過去や鬱屈が一気に表面化し、静かだったはずの町に、見て見ぬふりをしてきた狂気が広がっていきます。
大森南朋、桐谷健太、鈴木浩介が演じる兄弟たちは、それぞれ違う形で壊れかけていて、その崩れていく過程がかなりエグいです。
そこに篠田麻里子や岡村いずみの体当たりの濡れ場が加わり、エロスと緊張感がピタッと密着するように絡み合います。
暴力とエロティシズムが同じ画面の中でぶつかり合い、血のつながりという名の呪いが、彼らの尻尾を掴んで離さない様子を容赦なくえぐり出していく一本です。
目次
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映画『ビジランテ』あらすじ紹介
映画『ビジランテ』の舞台となるのは、埼玉県にある架空の地方都市「渡市」。
一見どこにでもありそうな地方の街で、実は家族と地域社会のくすぶった闇が静かに溜まっています。
物語の中心にいるのは、父の家庭内暴力（DV）の中で育った三兄弟、神藤一郎、二郎、三郎です。
幼い頃から、父・神藤武雄の暴力にさらされてきた三人は、それぞれ違う形で傷を抱えたまま大人になります。
その傷は、表面上は見えていなくても、心と生活の奥深くにまで染み込んでいました。
そんな中、30年ものあいだ行方知れずだった長男・一郎が、突然ふらりと渡市に戻ってきます。
ちょうど同じタイミングで、父が死去。
遺産の話が持ち上がり、空気が一気にきな臭くなっていきます。
一郎は父から譲られた土地を手放そうとせず、その頑なな態度が、三兄弟の間だけでなく、街の政治や裏社会まで巻き込む火種となっていきます。
争いは単なる相続トラブルでは終わらず、地元の市議会、ヤクザ、利権が絡んだきな臭い話へと発展。
次男の二郎は地元市議会議員として立場を守ろうともがき、その妻・美希（演：篠田麻里子）は、表の顔と隠してきた欲望のあいだで揺れます。
三男の三郎はデリヘル店を経営し、夜の世界からこの街の裏側とつながっていきます。
美希は、「良き妻」「議員の嫁」であろうとしながらも、自分の欲望や不満を抑えきれずに抱え込んでいくキャラクターで、篠田麻里子の整った顔の裏から、じわじわと本音がにじみ出てきます。
さらに、市議会の最大派閥・大泉一派の一員として登場する亜矢（岡村いずみ）は、自警団的な活動を通じて街の治安に関わる一方で、この街の濁った水面の下をよく知る存在でもあります。
亜矢と三郎の関係、そして三郎のデリヘル店を軸に、表の顔と裏の金の流れ、人間関係のつながりが少しずつ明らかになっていきます。
『ビジランテ』は、銃や殴り合いといったわかりやすい暴力だけを見せる映画ではなく、日常の中に潜む小さな「我慢」や「諦め」が、積もりに積もって爆発していく様子を描いています。
埼玉の地方都市という設定ならではの閉塞感、そこから抜け出せない人たちのしがらみ、地元の人間関係の濃さが、映像とともにずっしりと伝わってきます。
遺産争いをきっかけに、家族の中で眠っていた怒りや嫉妬、過去への未練が次々と顔を出し、個人の問題と地域社会の構造が複雑に絡み合っていくのがこの作品の面白さです。
一郎・二郎・三郎それぞれが、憎しみながらも切り離せない家族への感情を抱えていて、その内面の闘いが物語を押し進めていきます。
ラストに向かうにつれて、街全体が巻き込まれていくような不穏さが増し、「家族」「地元」「まともに生きること」について、観る側にも考えさせる仕上がりになっています。
映画『ビジランテ』基本情報・キャスト
| 評価 | 3.2 |
|---|---|
| 公開日 | 2017年12月9日 |
| 上映時間 | 125分 |
| 監督 | 入江悠 |
| 脚本 | 入江悠 |
| 原作 | |
| キャスト | 大森南朋,鈴木浩介,桐谷健太,篠田麻里子,嶋田久作,間宮夕貴,吉村界人,般若,坂田聡,岡村いずみ,浅田結梨,八神さおり,宇田あんり,市山京香,たかお鷹,日野陽仁,菅田俊 |
| 製作国 | 日本 |
映画『ビジランテ』見どころ3選！
篠田麻里子がまさかの…
篠田麻里子さんが演じる美希は、「元アイドルのイメージ」とはかなり違う、だいぶ攻めた役どころです。
普段は議員の妻としてきちんとした服装で立ち振る舞い、その姿だけ見ると“しっかり者の奥さん”なのですが、ふとした瞬間に見せる視線の揺れや、口元のゆるみから、内側の欲望や不満がチラッと漏れていてドキッとします。
家族を守ろうと必死なようでいて、実は自分の居場所を確認するために無理をしているようにも見える、その微妙なバランスを表情で見せてくれるのがうまいです。
夫との関係がうまくいっていない空気がただような場面では、肩の力の抜け方や脚の組み方ひとつにも、イライラや諦めがにじんでいました。
そして、カーセックスのシーンでは一気にスイッチが入ります。
車内という狭い空間で、シートに押しつけられた尻や、窓ガラスにうっすらつく汗の跡、密着した肌が揺れるたびにムチムチとした感触が伝わってきそうで、かなり大胆です。
乳首がチラッと見える瞬間や、触れられたときにビクッと体が震える仕草は、元アイドルがここまでやるのかという驚きも含めてインパクト大。
「アイドルの濡れ場を見てみたい」という人には、確かに外せないポイントになっていると思います。
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岡村いずみの衝撃的なシーン
岡村いずみさんが演じる亜矢は、デリヘル嬢としての顔と、自警団活動に関わる顔という、なかなかクセのある二面性を持ったキャラクターです。
彼女が襲われるシーンは、ほぼレイプ同然の状況で、本当に観ていて息が詰まるくらいしんどい場面でした。
服を乱され、脚を押さえつけられ、逃げようとしてもピタッと動きを止められてしまう描写には、エロさよりも恐怖と怒りが先に立ちます。
それでも岡村いずみの演技は、ただ“かわいそうな被害者”にとどまらず、必死に耐えながらも何かを飲み込んでいく女性の複雑な感情を見せていて、目が離せませんでした。
乱れた髪、涙で濡れてた頬、荒い吐息が重なり合うカットは、かなり生々しいです。
クライマックスに向かうにつれて、亜矢の中に溜め込まれていた感情があふれ出していく流れも見どころです。
自分の身に起こったことをただのトラウマでは終わらせないような強さが、かすかにでも感じられるのが救いでもあり、観ている側の心にもズシリと残ります。
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エロいシーンも見逃せない
『ビジランテ』は、家族ドラマや地方政治の話だけでなく、エロティックなシーンもかなり濃く、そこが物語の重要なアクセントになっています。
カーセックス、デリヘルの接客シーン、路上や車内での密着したキスなど、登場人物たちが身体を重ねる場面では、単に刺激を狙っているというより、「ここまでしないと自分の居場所を感じられない」という寂しさや必死さがにじんでいます。
腰つきの揺れ方や、胸がぶるんと揺れるカット、相手の太ももに絡む脚の動きなど、フェチ目線で見てもなかなか攻めています。
肌と肌がこすれ合って汗でぬるっとした質感になっていく感じや、耳元にかかる吐息の重さも伝わってきて、エロさとしても十分見応えがあります。
ただ、それらの濡れ場はすべて、登場人物の心理状態や関係性の変化としっかりリンクしています。
ムチムチした体をさらしてまで得ようとしたものが何だったのか、終盤に向かうにつれて見えてくるので、単なるお色気シーンとして消費されないところが、この作品の面白さだと感じました。
映画『ビジランテ』エロい濡れ場やヌードシーン
岡村いずみの濡れ場
映画「ビジランテ」で一番記憶に残ったのが、岡村いずみさんの濡れ場です。
レイプ同然に襲われるシチュエーションで、見ていて正直かなりしんどい場面なのですが、岡村さんは体を張ってその恐怖と屈辱を演じ切っています。
無理やり押さえつけられて、脚をピタッと固定されるような姿勢や、震える肩の動き、荒い吐息が重なっていく描写がとてもリアルで、観ている側の呼吸も少し浅くなるような感覚でした。
衣服が乱れて肌があらわになる中で、乳首がはっきりと見えるショットもあり、画としてはかなり攻めたものになっていますが、そこで感じるのは安易なエロさよりも、「ここまで見せないと伝わらない痛み」が前に出ている印象です。
涙で濡れてた頬や、必死に目をそらそうとする表情の演技が色っぽさと痛ましさを同時にまとっていて、岡村いずみという女優の凄さを見せつける濡れ場になっています。
篠田麻里子のSEXシーン
一方で、篠田麻里子さんのSEXシーンは、岡村さんのそれとはまた違う「大人の色気」が前面に出た場面になっています。
車内での絡み合うカットでは、狭い空間の中、シートに押しつけられた尻のラインや、上半身の揺れに合わせて胸がぶるんと動く感じが伝わってきて、かなりエロティックです。
窓ガラスがうっすら曇るほどの吐息と汗、密着した肌の質感がじわじわと画面から伝わってきて、「元アイドルがここまで攻めるのか」と思わず見入ってしまいました。
乳首がちらりとのぞくようなカットもあり、その見せ方もあからさまというより、腰つきの動きや体勢の変化の中でふと映り込む感じなので、いやらしさとリアリティのバランスが絶妙です。
篠田さん特有のクールな目元と、ムチムチとしたボディラインのギャップが強く出ていて、彼女の新しい一面を感じさせるSEXシーンになっています。
その他エロティックなシーン
「ビジランテ」の濡れ場は、どれも単発のサービスカットではなく、キャラクターの関係性や感情の流れとしっかり結びついているのがポイントです。
デリヘルの接客シーンや、路上での危うい密着、カーセックスなど、状況はさまざまですが、いずれも「そこまでしないと埋まらない心の穴」がにじみ出ています。
腰つきのリズムや、脚の絡ませ方、肌と肌がこすれていくときの微妙な揺れが、ただの肉体的な快楽というより、相手にしがみつこうとする必死さとして伝わってくるのが印象的でした。
汗で肌が少しテカり、ぴったりとくっついた身体がムチムチと動く描写はしっかりエロいのですが、その裏側にある寂しさや焦りが消えないので、観ていて複雑な気持ちになります。
肉体の接触を通じて、登場人物たちの葛藤や欲望が浮き彫りになる濡れ場が多く、結果として映画全体の生々しさと説得力を強めているように感じました。
映画『ビジランテ』予告編
映画『ビジランテ』感想
岡村いずみの濡れ場シーンがたまらん
個人的にいちばん「この作品を観て良かった」と思えたのは、やっぱり岡村いずみさんの存在感でした。
デリヘル嬢という役柄自体はありがちに見えるのに、彼女が演じると妙なリアリティと色気が同居していて、登場するたびに画面の空気が変わります。
濡れ場では、乱暴に扱われるシーンも含めて、身体の動きや目線の泳ぎ方、震える指先までちゃんと演技していて、単なる「脱ぎ要員」ではないのがよくわかりました。
正直、映画としては好みが分かれそうな重さがありますが、岡村いずみの濡れ場と芝居を観るだけでも十分元が取れると感じました。
彼女をあまり知らなかった人でも、「こんなに攻めた演技ができる女優なんだ」と意識がガラッと変わると思います。
篠田麻里子の演技はイマイチだった
篠田麻里子さん目当てで観たところもあるのですが、演技に関しては正直なところ「もう一歩見たかったな」という印象でした。
議員の妻というキャラクター設定や、カーセックスまでやる攻めた役どころは面白いのに、セリフの言い方や感情の振り幅が少し淡々としていて、物語の激しさとズレて感じる場面もありました。
ファンとしては、もっとドロッとした感情表現や、崩れ落ちる瞬間の表情を見てみたかったところです。
とはいえ、スクリーンに映ったときの華やかさはさすがで、少し冷たい雰囲気をまとった美人奥様というビジュアルはハマっています。
「演技に関してはまだ伸びしろあり」という感想ですが、篠田麻里子がここまで脱ぎも含めて踏み込んだ作品に出ているという意味では、ファンならチェックしておきたい一本だと思いました。
エロさを感じるシーンが多くて最高
映画全体としては暗くて重いテーマなのに、エロいシーンが多いせいか、不思議と最後までダレずに観られました。
いくつか濡れ場が挟まれるのですが、そのどれもがキャラクターの感情と結びついているので、「はい、お色気タイムです」という浮いた感じがあまりありません。
むしろ、鬱屈した空気の中で、肌と肌がぶつかり合うことで一瞬だけ何かを忘れようとしているように見えて、ちょっと切なさも混ざってきます。
レイプ描写やカーセックスなど、観ていてドキッとするシーンも多いですが、それぞれの場面ごとに「どうしてこの状況にまで追い込まれたのか」がきちんと感じられるので、ただの刺激で終わらないのが良かったです。
エロさと同時に、地方都市の閉塞感や人間関係の歪みも伝わってくるので、観終わったあとに少しモヤモヤ考えてしまいました。
濡れ場を目当てに観ても十分楽しめますし、「性」が絡むところで人間の本音がむき出しになる感じが好きな人には、かなり刺さる作品だと思います。
映画『ビジランテ』まとめ
『ビジランテ』は、地方都市という閉じた舞台で、家族の崩壊や暴力、利権が絡み合っていく様子をじっくり見せていく骨太なドラマです。
三兄弟それぞれが抱えてきたトラウマやコンプレックスが、父の死と遺産問題をきっかけに一気に噴き出し、街の政治や裏社会まで巻き込んでいく流れは重たいですが、妙な説得力があります。
「正義はどこにあるのか」「家族とは何か」といったテーマも、押し付けがましくなく、物語の中に自然と滲ませている印象でした。
一方で、篠田麻里子や岡村いずみの濡れ場をはじめとして、エロティックなシーンもかなり攻めていて、肌の露出や密着、汗ばむ肌の質感までしっかり描かれています。
ただエロいだけではなく、その肉体のぶつかり合いに登場人物たちの孤独や欲望が乗っかっているので、観ている側も複雑な気持ちで引き込まれていきました。
地方の閉塞感や家族の闇、生々しいSEX描写など、軽い気持ちで観るには少しヘビーですが、刺さる人にはじわじわ効いてくる一本です。
重めの人間ドラマと攻めた濡れ場の両方を味わいたい人には、チェックして損はない作品だと思います。
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