映画『獣道』は、「まっすぐ生きたいのに、どこにも居場所がない」少女・愛衣が、転びながらも前に進こうとする姿を容赦なく映す作品です。
伊藤沙莉が演じる愛衣は、笑うと幼さが残るのに、目つきだけがやけに鋭い瞬間があるんですよね。
そのギャップが最初から刺さります。
信仰に寄りかかる家の空気、世間の冷たさ、不良少年とのいびつな距離、そして夜の世界へ――愛衣の選択はいつも危うくて、見ている側の胃がキュッとなる場面が続きます。
ただ、重たいだけの話ではありません。
ブラックコメディみたいにフッと笑える場面がある分、次の残酷さがさらにくっきり見えてしまうのが本作の怖さです。
「かわいそう」で終わらせない強さと、逃げ場のなさが同居する一本。
気軽にはすすめにくいけど、観たあと妙に残ります。
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目次
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映画『獣道』あらすじ紹介
映画『獣道』は、内田英治監督が、東京の片隅で生きる若者たちの“どうにもならなさ”を、笑いと毒を混ぜながら描いた物語です。
伊藤沙莉が演じるのは、家庭にも学校にも落ち着けない少女・愛衣。
周りと同じようにやろうとしても、なぜかうまく噛み合わず、空気だけが重くなっていくタイプの子です。
家には信仰の匂いが濃く残り、言いたいことを飲み込むのが当たり前になっている。
外に出れば出たで、世間は優しくない。
愛衣は「ここなら息ができるかも」と思える場所を探して動きますが、そのたびに現実がピタッと追いかけてきます。
そんな中で出会う大人たちや同世代の人間関係が、愛衣を助けるようでいて、逆に追い詰めていくのがつらいところです。
気持ちの居場所がないまま、体だけが先に現実に馴染んでしまう瞬間もあり、見ていて落ち着かない緊張が続きます。
物語は、善悪をきれいに仕分けせず、「こうなるしかなかったのかもしれない」という流れで、愛衣の転落と踏ん張りを同時に見せてきます。
だからこそ、彼女の行動にイラッとしたり、胸が痛くなったり、感情が忙しいんですよね。
愛衣が何を失い、何を握りしめたまま進むのか。
派手な成功譚ではなく、ズルッと滑っても立ち上がる瞬間を描く作品です。
観終わったあとに残るのは、爽快感というより、現実の手触りに近いザラつきかもしれません。
映画『獣道』基本情報・キャスト
| 評価 | 3 |
|---|---|
| 公開日 | 2017年7月15日 |
| 上映時間 | 94分 |
| 監督 | 内田英治 |
| 脚本 | 内田英治 |
| 原作 | |
| キャスト | 伊藤沙莉,須賀健太,アントニー,吉村界人,韓英恵,冨手麻妙,松本花奈,川上奈々美,毎熊克也,マシュー・チョジック,矢部太郎,でんでん,広田レオナ,近藤芳正 |
| 製作国 | 日本・イギリス合作 |
映画『獣道』見どころ3選！
伊藤沙莉の“目”が全部持っていく
映画「獣道」で一番強いのは、伊藤沙莉さんの表情、とくに目の演技です。
笑ってごまかしているのに、次の瞬間にはスッと冷えた目になる。
強がっているのに、ふとした拍子に幼さが出る。
その切り替わりが自然で、愛衣の「まだ子どもでいたい」と「もう戻れない」の両方が同時に見えてきます。
体当たりの場面もありますが、そこで目立つのは派手さより、役の中でちゃんと呼吸している感じです。
無理に盛り上げないのに、ずっと目が離せません。
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エロティックな場面が“逃げ場のなさ”として効く
「獣道」にはエロティックな場面がありますが、甘い空気というより、愛衣の行き場のなさがにじむ形で入ってくるのが特徴です。
本人の意思があるようで、どこか流されてしまう。
相手の優しさも、別の角度から見れば支配に近い。
そんな曖昧なラインが続くので、見ている側も「これは救いなのか？」と引っかかります。
刺激として消費されない分、場面が終わっても気持ちが残りやすいんですよね。
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ブラックコメディの笑いが、次の残酷さを際立てる
「獣道」は暗いだけの作品じゃなく、ふっと笑ってしまう瞬間がちゃんとあります。
そこが逆に怖いです。
笑えた直後に、現実がぶるんと揺さぶってくる。
軽口やノリで流したはずの出来事が、あとから効いてくる。
その緩急があるから、愛衣の状況が「物語」じゃなく「あり得る話」に見えてしまいます。
濡れ場やヌードも含めて、作品の空気を“濃くするため”に置かれている感じがあり、観終わったあとに「なんであの場面が必要だったのか」を考えたくなるタイプです
映画『獣道』エロい濡れ場やヌードシーン
伊藤沙莉の濡れ場シーン
映画「獣道」の伊藤沙莉の濡れ場は、いやらしさで押すというより、まず“空気が重くなる”タイプの色気でした。
あどけない顔のまま近づいてきたと思ったら、目つきがスッと変わって、息づかいだけで場を支配していくんですよね。
肌が密着して、ピタッと時間が止まる感じがあるのに、どこか落ち着かない。
ちらりと乳首が映る瞬間も、見せるためのカットというより、愛衣の“投げやりな覚悟”が先に来ます。
汗の光り方や、肩の力の抜け方まで生々しくて、ムチムチした艶だけで終わらないのが印象的です。
映画「獣道」の生々しいエロシーン
「獣道」のエロシーンは、甘いムードで包むというより、登場人物の寂しさがじわっと滲む形で入ってきます。
触れられているのに、心は遠いまま。
逆に、雑に扱われるほど“ここにいていい”と錯覚しそうになる危うさも見えて、見ている側がビクッとする場面があります。
脚の絡み方や、腰つきの揺れ、吐息が混ざる間の取り方まで、映像が妙にリアルです。
エロさがあるのに、気持ちよさだけで流せない。
だからこそ、シーンが終わっても後味が残りますね。
伊藤沙莉のSEXシーン
映画「獣道」のSEXシーンは、“盛り上げるため”の濡れ場というより、愛衣の感情が崩れる合図みたいに置かれています。
目線の泳ぎ方、腕の置き方、呼吸の浅さが細かくて、見せ場なのに妙に現実的です。
ぶるん、と体が揺れた瞬間に、本人の中のスイッチが切り替わるようにも見えました。
露出そのものより、肌の温度や距離感の近さが先に来るので、官能的なのに軽くならないんですよね。
濡れ場が“物語の傷口”として機能している感じがして、見終わったあとにジワッと効きます。
映画『獣道』予告編
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映画『獣道』感想
伊藤沙莉が魅せる苦悩と解放
正直、伊藤沙莉さんの顔を見ているだけで疲れるくらい、感情が詰まっていました。
強がって笑っているのに、次の瞬間には目が乾いていて、その落差が怖いんですよね。
愛衣が「助けて」と言えないまま、別の形で求めてしまうのも苦しかったです。
でも、弱さを飾らないからこそ、嘘っぽくならない。
汚れていく流れの中でも、たまに見せる“まだ子どもっぽい顔”が残酷で、胸がザワッとしました。
映画の中のエロいシーンが話題
エロい場面は確かにありますが、いやらしいサービスというより、見ていて落ち着かない種類の色気でした。
乳首や肌の露出が“見える・見えない”のドキッとした刺激はあるのに、同時に寂しさがくっついてくるんです。
汗のにおいまで想像できそうな生々しさがあって、濡れてた…という言葉が頭をよぎる瞬間もありました。
見終わったあと、「エロかった」で片付けるのがもったいないというか、むしろ簡単に言いたくないシーンでしたね。
濡れ場のインパクト
濡れ場はインパクトがあるのに、派手さで押さないところが逆に刺さりました。
密着した体の隙間がなくなった瞬間に、安心じゃなくて不安が増える感じがあって、こっちもビクッとします。
腰つきの揺れや、吐息の混ざり方がリアルだからこそ、きれいにロマンチックにならないんですよね。
「つながる」って言葉が、必ずしも救いにならないこともある。
そういう温度の低い現実が、じわじわ残りました。
映画『獣道』まとめ
映画『獣道』は、少女・愛衣が「ここにいていい」と思える場所を探して動くほど、現実に追い詰められていく物語です。
濡れ場やヌードは刺激として置かれているというより、愛衣の孤独や焦り、関係のいびつさを映すための場面として効いていました。
乳首や肌の露出がドキッとする一方で、汗や吐息の生々しさが、気持ちの置き場を奪ってきます。
伊藤沙莉の体当たりの演技が、笑える場面すらヒリつかせるので、観終わったあとも軽く流せません。
きれいごとで締まらない青春映画を探している人には、かなり刺さる一本です。
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