映画『眼球の夢』は、狂気とエロス、そしてアンダーグラウンドなアート感覚がごちゃ混ぜになった、かなり攻めた一本です。
万里紗が演じる主人公・麻耶は、“失われた眼球”にとり憑かれたフォトグラファーとして、魔都・東京の裏側をさまよい続けます。レンズ越しに眼球ばかりを追いかける姿には、ゾクッとする危うさと、どこか抗えない魅力が漂っています。
彼女を冷静に記録しようとする脳外科医と、眼球を集めて歩く謎のコレクターが絡んでいくことで、物語はどんどん不穏な方向へ転がっていきます。カメラがとらえる肌のアップと、ぎょろりとした眼球のクローズアップが交互に映し出される映像は、気づけば目をそらしにくい中毒性があります。
万里紗と桜木梨奈が体当たりで挑んだ濃密な濡れ場も見逃せません。汗ばむ肌や密着する身体、吐息が混じる空気感が、眼球フェチ的なビジュアルと混ざり合い、独特の官能を生み出しています。
本記事では、『眼球の夢』の無料視聴方法はもちろん、クセが強い世界観や倒錯したエロスの見どころ、観客を試すような狂気の魅力まで、じっくり掘り下げてご紹介していきます。
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目次
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映画『眼球の夢』のあらすじ紹介
カメラを片手に「生き別れた眼球」を探し、東京の闇ばかりを歩き回るフォトグラファー・麻耶(万里紗)。幼いころのトラウマが原因で、彼女は眼球というパーツに異様な執着を抱くようになり、いつしか人の顔ではなく“目玉だけ”を追いかける生活にのめり込んでいきます。
眼球ばかりを撮り続けるうちに、その行動は周囲からも奇異の目で見られ始め、麻耶の世界は少しずつ常識から外れていきます。彼女の部屋の壁一面には、剥き出しの眼球や血走った目の写真がびっしりと貼られ、まるで祭壇のような異様な空間が出来上がっていきます。
そんな麻耶を密かに追いかけているのが、彼女の姿を記録映像として残そうとする精神科医です。彼は研究者としての興味から、麻耶の狂気を淡々とカメラに収めていきますが、その眼差しも次第に冷静さを失い始めます。
一方、麻耶の“特別な眼球”に目をつける謎の眼球コレクターも暗躍を始めます。彼にとって麻耶は、数あるコレクションの中でもとびきり異質な存在であり、執着の対象になっていきます。こうして、麻耶・精神科医・眼球コレクターという三人の歪んだ関係が、TOKYOという魔都の中で少しずつ絡まり合っていきます。
やがて街では、眼球をえぐり取られた死体が次々と見つかる事件が発生します。ニュースは連日その話題で持ちきりになり、都市伝説のような不穏さが人々の不安を煽ります。その影で、麻耶は自分の中で膨らみ続ける妄想と現実との区別がつかなくなり、レンズ越しに“眼球の真実”を捉えようともがき続けます。
物語の舞台はやがて、死と生の境界に立つような樹海へと移っていきます。鬱蒼とした森の中、転がる死体とむき出しの眼球を前に、麻耶の狂気は一気に頂点へと達します。精神科医はその姿をただ黙ってカメラに収め続け、本人も気づかないうちに麻耶の狂気に引き込まれていきます。
麻酔もなく眼球をえぐり取る“儀式”のような場面や、眼球フェティッシュに満ちた写真が壁一面に貼られた密室空間、フラッシュがきらめく中で崩れていく麻耶の心。フォトグラファーとしての本能と、壊れていく精神がぶつかり合うビジュアルは、かなり強烈な印象を残します。
クライマックスでは、魔都TOKYOそのものが麻耶の内面を映したような惨劇の舞台になります。血と涙と眼球が入り乱れる中で、彼女の「眼球への異常な愛」の正体が少しずつ明らかになっていきます。精神科医や眼球コレクターといった“記録者”と“狩人”たちの本当の狙いも、この終盤で輪郭を帯びていきます。
本作は、佐藤寿保監督ならではのアンダーグラウンドな世界観が全面に押し出された作品です。フェティシズムや幻想、破壊衝動と自己解体が混じり合い、どこまでが現実でどこからが妄想なのか分からなくなっていく感覚を味わえます。
血と肉の生々しさと、どこか美術作品のような構図が同居している映像が続き、観る者の精神にじわりと入り込んできます。「見つめる側」と「見つめられる側」が入れ替わっていく不思議な感覚を覚える人も多いはずです。
暴力と欲望、幻想が絡み合うこの物語は、単なるサスペンスやホラーというより、「目で見る」という行為そのものを極端な形で問い直す作品だといえます。眼球というシンボルを通して、人間が何を見たいのか、何から目をそらしているのかを静かに突きつけてくる、異色の官能アート映画です。
映画『眼球の夢』基本情報・公開日キャスト
| 評価 | 2.2 |
|---|---|
| 公開日 | 2016年7月30日 |
| 上映時間 | 102分 |
| 監督 | 佐藤寿保 |
| 脚本 | 夢野史郎 |
| 原作 | |
| キャスト | 万里紗,桜木梨奈,中野剛,PANTA,小林竜樹,佐川一政,シャイリー波輝,川瀬陽太,和女 |
| 製作国 | 日本・アメリカ合作 |
映画『眼球の夢』見どころ3選！
万里紗が見せる狂気じみた演技
映画「眼球の夢」でまず目を奪われるのは、万里紗が演じる麻耶の壊れ方です。
彼女はカメラマンでありながら、レンズを通して世界を見るうちに、現実と妄想の境目をどんどん見失っていきます。眼球だけを追い続ける視線は鋭いのに、ふとした瞬間に虚ろになったり、汗ばんだ額を乱暴にかきむしったりと、心のバランスを崩していく様子が体の動きにも表れています。
歩き方一つとっても、最初は都会を颯爽と歩くカメラマンなのに、物語が進むにつれて足取りがふらつき、肩の力が抜けていきます。眼球を見つめるときの異様な集中力と、人と向き合うときのぎこちなさのギャップが、麻耶というキャラクターの狂気をより際立たせています。
万里紗の演技はきれいに整っているわけではなく、時に不格好で、時にムチャクチャです。しかしその“崩れ方”がこの作品にはぴったりで、観ている側も気づけば彼女の視界に引きずり込まれていきます。こういうタイプの演技が好きな人には、かなり刺さると思います。
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桜木梨奈の演じるシーンに注目
桜木梨奈が登場するシーンも、この作品の重要なスパイスになっています。
彼女の濡れ場は、単に肌を見せるサービスシーンではなく、麻耶の狂気と絡み合うことで意味を持ってきます。ベッドの上で密着しながら、胸元や尻のラインが強調されるショットが続きますが、その中でふと見せる不安そうな目や、ビクッとした反応が、キャラクターの怖さとエロさを同時に感じさせます。
汗で少し濡れてた肌同士がピタッとくっつくようなシーンでは、吐息が交じり合う空気感まで伝わってくるようで、生々しさが際立っています。桜木梨奈の柔らかそうな肌の質感と、そこに向けられる麻耶の異様な視線が重なり、観ているこちらもどこか落ち着かない気分になりますね。
彼女が絡む場面は、ストーリー全体にとっても重要な転換点になることが多く、単なるエロ要員にとどまっていません。濡れ場を通してキャラクター同士の力関係や支配・服従のニュアンスが見えてくるので、注目して観るともう一段深く楽しめます。
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際立つエロスとアートの融合
「眼球の夢」の最大の特徴は、エロスとアートがかなり大胆な形で融合しているところです。
カメラは、眼球のどアップと、肌のアップを交互に映し出していきます。レンズに映る血走った目と、シーツの上で横たわる裸の身体が同じ熱量で扱われているので、観ているうちに「どちらがよりフェチなのか」分からなくなっていく感覚があります。
エロティックなシーンでは、ムチムチした脚や腰つき、胸の揺れもきちんと見せてくれますが、それと同時に壁一面の眼球写真や、不気味なオブジェがフレームに入り込んできます。その異様な組み合わせが、単なる性描写では終わらない“気持ちの悪い美しさ”を生み出しています。
通常のホラーやサスペンスではあまり踏み込まない、眼球フェチというニッチなモチーフをここまで突き詰めて映像化している作品はなかなかありません。人によっては拒否反応が出るかもしれませんが、ハマる人には強烈な一本になるはずです。観終わったあと、誰かと「どこが一番やばかったか」を語り合いたくなるタイプの映画ですね。
映画『眼球の夢』エロい濡れ場やヌードシーン
万里紗の濡れ場
映画「眼球の夢」で万里紗が見せる濡れ場は、彼女の体つきと演技の両方がしっかり伝わってくる、かなり攻めたシーンになっています。
暗い部屋の中で、シーツの上に横たわる万里紗の肌がライトに照らされて、うっすら汗で濡れてたように光ります。相手に抱き寄せられて胸がぶるんと揺れたり、シーツに押しつけられた尻のラインが強調されたりと、フェチ目線でもかなりそそられる見せ方です。
乳首がチラリと画面の端に映るようなギリギリのアングルも多くて、「あ、今見えた？」と一瞬ドキッとさせられます。そのときの彼女の表情がまた良くて、快楽に溺れているようでいて、どこか怯えたような目をしていたりするので、ただのサービスカットでは終わっていません。
息が少し荒くなって、吐息が相手の首筋にかかるような寄りのカットもあり、密着したときの体温まで伝わってくるような生々しさがあります。この数カットだけでも、「万里紗ってここまでやるんだ」と思わされる、濃度の高い濡れ場です。
桜木梨奈のエロシーン
桜木梨奈のエロシーンも、この作品の中でかなり印象に残ります。
彼女は元々フェミニンな雰囲気のある女優ですが、この映画では、その柔らかそうな肌とムチムチした脚のラインを前面に出した演出が多く、ベッドの上での動きも自然です。横向きに寝かされて胸を手で包まれたとき、乳首がふっとのぞく瞬間があって、その“偶然っぽさ”が余計にエロく感じます。
首筋にキスされて身体をビクッと震わせたり、腰つきをゆっくり合わせていくときの表情に、恥ずかしさと快楽が同時に浮かんでいて、観ているこちらもつい息を止めてしまいました。脚を絡めて相手とピタッと密着するカットでは、尻の丸みや太ももの張りまでしっかり映してくるので、フェチ的にも満足度が高いです。
単に脱いでいるだけではなく、感情の揺れが乗ったエロさなので、シーンとしてもきちんと記憶に残ります。桜木梨奈が好きな人には特にチェックしてほしいところですね。
映画全体のSEXシーン
「眼球の夢」に登場するSEXシーンは、どれも“気持ち悪い美しさ”とエロスが混ざったような独特の雰囲気を持っています。
体を重ねている最中でも、カメラは眼球のどアップや、壁に貼られた写真を挟み込んでくるので、ただの抜きシーンとして見ていると少し居心地の悪さも感じます。ただ、その不安定な空気が、キャラクターたちの壊れかけた精神状態とよくリンクしていて、結果的にかなりクセになる作りになっています。
腰つきを合わせながらシーツの上を転がるカットでは、肌と肌がこすれ合って汗がにじむ様子や、胸の揺れ、絡み合う脚の動きまで細かく撮られています。視線を合わせないまま、ただ体だけを寄せ合っているようなシーンもあり、そこにキャラクター同士の距離感の冷たさが表れているように感じました。
エロいカットが多いのに、観ているうちにだんだん不安になってくるような、この奇妙なSEX描写は、間違いなく監督の狙いだと思います。単純にヌードを楽しむのもありですが、キャラクターの精神状態を重ねて見ると、また違った意味でゾクッとするシーンばかりです。
映画『眼球の夢』予告編
映画『眼球の夢』感想
万里紗の熱演に引き込まれる！
映画「眼球の夢」を観てまず感じたのは、「万里紗の顔と目の芝居だけでここまで引っ張れるんだ」という驚きでした。
新宿の雑踏の中で、カメラを構えたまま眼球だけを追い続ける麻耶の姿は、正直ちょっと怖いのに、なぜか目が離せません。誰かの目をじっと見つめるときの研ぎ澄まされた視線と、ふとレンズを下ろした瞬間に見せる疲れ切った表情の落差がすごくて、「このキャラクター、本当に限界ギリギリで生きているんだな」と感じました。
大きなセリフで説明せずに、肩の力の抜け方や歩き方、汗をぬぐう仕草でじわじわと狂気が増していくのがうまくて、気づいたら万里紗の演技だけ追いかけていました。作品自体はかなり人を選ぶ内容ですが、彼女のパフォーマンスを見るためだけでも、一度触れてみる価値はあると素直に思いました。
エロとグロの独創的な融合が魅力
個人的にツボだったのは、この作品がエロとグロをかなり変なバランスで混ぜてきたところです。
眼球を映したアップから、いきなり裸の肌のアップに切り替わるような編集が多くて、最初は「何を見せられているんだろう？」と戸惑いました。でも、そのうち眼球も肌も同じ“フェチの対象”として扱われているように見えてきて、だんだんクセになっていきます。
血がにじんだ目玉と、汗ばんだ胸元が同じテンションで画面に並ぶので、グロが苦手な人にはかなりキツいと思いますが、自分は「ここまで振り切ってくれるならアリだな」と感じました。普通のホラーやエロ映画に飽きてきた人なら、この独特のミックス感はけっこう刺さるはずです。
SEXシーン、思わず息をのむ
SEXシーンに関しては、正直かなり緊張感があって、抜き目的だけで観るには気持ちがザワザワしました。
キャラクター同士の心がちゃんと通じ合っていない状態で体を重ねる場面が多くて、腰つきや密着の仕方は確かにエロいのに、どこか不穏さが漂っています。相手の胸に顔を押しつけたまま視線だけが泳いでいたり、抱かれながらもどこか遠くを見ていたりするカットが多くて、「この人たち、本当は何を求めているんだろう」と考えさせられました。
息が荒くなっていく描写や、シーツの上でムチムチと絡み合う脚だけ切り取ったショットは、単純にフェチとして楽しめますが、その裏にある精神状態を想像すると、単純に気持ち良さだけでは終われません。この“気持ちよさと居心地の悪さ”の両方を味わわせてくる感じが、この映画ならではだと思います。
映画『眼球の夢』まとめ
『眼球の夢』は、視覚への執着と人間の狂気を、かなりストレートに突きつけてくる前衛的な作品です。
眼球というフェティッシュなモチーフを中心に据えながら、登場人物たちの依存や破滅衝動がじわじわと表に出てきます。新宿の雑踏や樹海の風景を背景に、血走った目と裸の肌が並ぶ映像は、人によっては拒否反応が出るかもしれませんが、ハマる人には忘れられない一本になるはずです。
独特の映像美や、万里紗・桜木梨奈の体当たりの演技、そしてエロとグロが混ざり合った世界観は、安心して楽しめるタイプの映画ではありませんが、その分だけ強烈な印象を残します。観終わったあと、「自分は何を見て、何から目をそらしていたのか」をふと考えさせられるような、挑戦的な作品でした。
エログロやフェチ表現に抵抗がない人であれば、普通のホラーや官能作品とは違う刺激を味わえると思います。少し気合いを入れて、夜に一人でじっくり向き合いたくなるような一本です。
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