大人の童話を彷彿させる本作は、年配の主演女優の谷間や海外でも通用する主演男優の体躯に魅了されました。バツイチの前向きな恋模様に胸が震え、メールのやり取りで相手の本質が見える感覚に心揺さぶられました。中年の男女のピュアなふれあいが描かれ、幸せな気分に包まれました。セックスシーンの丁寧な描写、死後1年で店舗を持ち余裕ぶっこくなる展開に驚かされるも、大人の恋愛を胸に刻む感動的な作品でした。お相手役の浜田学さんと同じ歳の丸純子さんの存在が頼もしく、この映画は私にとって今年の日本映画のベストテン入り確定！

女優の安藤サクラが主演を務め、ダメダメな日々から立ち直る姿に感動の一作。百円の恋を主題としつつ、一子の成長とボクシングへの情熱を描く。痛み、怒り、勝ちたいという本気の思いがストーリーを貫く。安藤のボクシング姿が迫力満点。元彼や狩野との関係も絶妙。ストイックな姿はロッキー級の感動。綿密な演技や豊かな表情が見どころ。バランスの取れた脚本と音楽も素晴らしく、登場人物の魅力に圧倒される。安藤のフルコンで心躍る。愛と闘い、成長する主人公にワクワクしながら感情移入。本気度満点で観客を魅了。優勝ならずとも、自分を貫くために戦い続ける一子に胸打たれる。

今泉監督の描く男性は、ポジティブで情けなさが素敵に見える。瀬戸康史演じる主人公は、古本屋の隔絶感が絵になる。滑稽な登場人物たちが笑えるけど、愛の無様さも考えさせられる。リアルな演技が素晴らしい中、中島歩のうさん臭い魅力と河合優美のかわいさに魅了される。R15指定のラブストーリーがコメディーで倫理観を揺さぶる展開も楽しい。瀬戸康史の吐息に胸が震え、河合優美の揺れる乳首に興奮するシーンもあるが、物語の全体が心地よく、男はハートが大事と感じる。はああああああ、瀬戸康史を愛で満たされた至福の時間！

述べ人生をエロティックに変えたレイ。不安定な心に悩む彼女が、偶然出会った男との旅で心を癒す。二人のやり取りや心の動きが、繊細で複雑な心情描写にピタリ。大森南朋の飄々とした魅力的な演技が心に残る。衝撃のラブホテル入浴シーンや食事シーン、そしてトラック運転の指導シーンなど、心温まる演出に触れる。寺島しのぶの不安定な姿から、大森南朋による優しさの受け入れ方まで、2人の共演が心を奪う。真実の愛と癒しを求めて、二人の旅は続く。福田村事件の荒井晴彦さんの脚本が繊細な演技に映え、大森南朋の存在感に魅了される作品だ。

是枝作品のモチーフを見事に展開した『誰も知らない』は、歪な家族像を描いた問題作。貧困で繋がる万引き家族と壊れた愛情に満ちた家族が交錯する。倫理観を問うドラマはリアルな家族の姿を浮き彫りにし、安藤サクラやリリー・フランキーらが見事に演じる。血の繋がりよりも愛情や責任が家族を形作ることを問うこの作品は真のつながりを問う深い作品。未来に繋がる社会的問題も投影され、現代日本の姿を映し出す。一見温かい家族も欠点を隠せず、考えさせられる作品となっている。

ユリゴコロを持つ殺人者・美紗子と、彼女と関わりを持つ亮介の物語。絶望の中で生きる美紗子が、青年・洋介との出会いを通じて救いを見出す。亮介は美紗子のノートを読み、彼女の狂気に触れ異変を起こす。危険を感じた美紗子は家出し、亮介に救われる。その後、亮介は松山ケンイチとして過去に絡んでいたことが判明。最終的に、風変わりな展開と奇妙な結末が待っていた。すべてが深い愛と狂気に満ちた、奇怪ながらも美しい物語。

性と愛が交差する男女の姿を描いた禁断の映画。「娼年」は元レースクイーン藤原季節がセクシーに挑発し、元グラビアアイドル寧子が果敢に演じる。普通のAVではないエロさ、感情表現の荒々しさに魅了される。キャストの演技も素晴らしく、物語の世界観を引き立てる。ただし、チャットエッチに興奮しない点や性的トラウマの過去設定が浮いてしまう部分も。原作の堅実な骨組みに裏打ちされた作品だが、官能表現と尺稼ぎのバランスに改善の余地がある。全体を通しては、売れない時の色気を感じさせる「娼年」は、原作の良さを生かすためにもっと大胆なアレンジがあっても良いかもしれない。

令和版映画「卍」は、禁断の愛を描いた作品。園子のセレクトショップ経営や、光子とのラブシーンが色っぽい。夫孝太郎には内緒で、園子は光子にのめり込む。しかし、光子の同棲相手エイジが現れ、2人で共有しようと提案。孝太郎はドラレコで関係を知り、手切れ金を渡す。複雑な男女4人の絡みが展開する刺激的な作品。光子役の新藤まなみさんは魅力満点、園子役の小原徳子さんも大胆な演技に魅了。急展開のエンディングには続きが気になる展開も。絡まる愛と欲望、危険な誘惑が魅力的な映画だった。

R18+映画「火口のふたり」は、男と女優が織りなす切なくも美しい愛を描いた作品。映画監督と元助監督が同じ女性を愛した過去の回想が織り交ぜられ、ピンク映画の隠喩として象徴的な展開。セックスシーンが物悲しくも生々しく、愛の深さを表現している。絶望と希望が入り混じる物語は、泣き笑いの連続。主演の綾野剛と柄本佑の名演技にも注目。ピンク映画を通して映画人の苦悩と夢を描いた作品。刹那に輝く美しさに魅了され、心震える余韻を残す感動作。
　

5人の映画監督が手掛ける破壊と再生のエロス。『虎はよかった』、主演の間宮夕貴が嵐の中心。予測不能の展開にどんどんハマり、意味不明な魅力に引き込まれる。衝撃的なシーン連発で生命力と欲望の狭間で揺れ動く男女模様。間宮夕貴の魅惑的なボディに心を鷲掴みされ、男たちは欲望に身を任せる。幻想的なエロスが不気味で魅力的。終わり方は意味深で、あの遠吠えシーンが交尾に変われば、さらに深みが増すのに。捨て去ろうとするエロスが再び現れ、心をゆさぶる。中盤の劇団の出演が勿体無いが、作品全体の悩ましさと痛快さに魅了される。

震災から５年、福島で暮らすデリヘル嬢の姿。日常の輝きを求めながらも、心に抱えた傷と孤独。主演の瀧内公美が見事に演じきり、圧倒的な存在感を放つ。長澤まさみや高良健吾、柄本時生など、豪華キャストが織りなす人間模様に心が揺れる。主人公たちの複雑な内面がうまく表現され、観る者をどん底から優しい光へと導いてくれる。歯車が少しずつ噛み合っていく姿に、「人生は決して間違いじゃない」と感じる作品。感動のクライマックスへ誘う心にしみる作品だった。

官能青春恋愛劇！高校教師と生徒の伝説の禁断の恋を描く。泉は孤独を抱える葉山に惹かれ、小野くんも気にせずアタック。葉山の妻の精神疾患や泉の過去など、葛藤と愛の行方が見せる心情描写が刺激的！登場人物たちは想いを交錯させ、欲望に揺れ動く。ユズコの悲惨な運命も深い衝撃を与える。お互いを想うが故に織り成す揺れる物語は、誰もが経験する恋の真実を描く。ナラタージュの美しさと切なさが心に残る晩餐劇！

土居志央梨と吉沢亮主演の作品は、暗くエッチな映像で高校生の危うい日常を描いています。深淵な青春を垣間見ながらも、ふたりの友情やバイヨン製造所での感動的なセックスシーンが希望を与えてくれます。性描写が多めで辛い一方で、エンディングの小沢健二の曲が懐かしくも痛く美しく鳴り響き、心が癒されます。岡崎京子の世界観にノスタルジックな感情を抱きつつ、救いを感じられた素晴らしい作品です。早く友達に勧めたくなる、心震える一本です。

エッチな映画評論家たちの間でも話題！佐藤泰志原作の「夜、鳥たちが啼く」は、売れない作家・慎一が鬱屈した気持ちと裕子との甘酸っぱい関係を描く。再生の物語である今作は、女裕子の存在が慎一に光を与える。幸薄そうな裕子、濃厚な濡れ場がまた良い。エンディングは珍しくハッピーエンドで一安心。慎一の酒好きとスリムさのギャップも印象的。「啼く」の意味は日本語大辞典によれば、声高く鳴くだけでなく、涙を流し声を発して泣く事も。慎一と裕子の涙や声にならない叫び、その想いが深い映画だ。山田裕貴と松本まりかの演技が見逃せない作品だ。鬱屈した気持ちにホッとするひとときを与えてくれる、観る価値のある映画だ。

杉本彩さんの熱演が素晴らしかったです。男性のマッチョなボディーガードとの濃厚な関係、女性の心情の揺れ動きがエロく美しく描かれています。SM要素もあるけど、コメディ要素もちょっと入ってて面白かったです。女性たちが責められているシーンは驚きましたが、一方で男性の「勃起力」やSMの世界の魅力も感じさせられました。谷ナオミの妖艶な肢体を堪能できるロマンポルノで、独創的な美術や色彩美が素晴らしい作品です。個人的にはコミカルな部分も好きでした。エロスとコメディをうまく融合した作品でしたね。

永原賢治は突然訪ねて来た佐藤直子に挑発され、危うい関係に。直子を忘れられない賢治は、欲望に忠実になり、エロティックな関係を楽しむ。直子は賢治以外を感じたことがないと告げ、互いに絶頂を迎える。しかし、結婚は無理だと悟り、理性を働かせた賢治は現実に戻る。ラストは瀧内公美の笑顔で全てを受け入れる。期待外れの明るさとコメディータッチで、意外と面白さに溢れた作品だった。

謎多き映画「私の男」。孤独な花と遠縁の淳悟が流氷殺人事件を経て都会へ。エロいシーンありつつも、二階堂ふみの独特演技に心奪われる作品。淳悟の不器用な愛や花の狂気が鮮烈。殺人事件をきっかけに、二人の絆は描かれるが、展開は予測不能。主役二人の演技、特に二階堂ふみの若すぎる大胆演技が際立つ。物語や展開は不完全燃焼も、二人の演技力が作品を引き立てる。独特雰囲気、深い心理描写、迫る禁断の愛にどきどき。一風変わったが、二階堂ふみの魅力全開映画。

離婚話のさよこと浮気妻洋平が一緒に旅をする話。一見複雑だけど実はめちゃくちゃエロい展開。さよこの奇行と洋平の謎めいた過去が次第に明らかになっていく中、感情が揺れ動く。不動産屋で知り合った2人がプラトニックな関係を築きながらも、過去の問題を解決するため旅に出る。夜を共にする時間が長くなるにつれ、熱量も高まり密着度も増していく。頼もしい人物たちに支えられながら進む旅路に淡いエロスを感じつつ、さよこの突飛な行動に腹筋崩壊するシーンも。緑の紙や生々しいものはないけど、純粋な人間関係に胸キュン。最後の濡れ場には興奮してしまうこと間違いなし。

17歳の拉致監禁経験からS嬢に転身した奈緒子（壇蜜）の過去と現在が交錯するエロティックサスペンス。凄惨な過去によってSMに目覚め、甘美な快感を求める彼女の姿が描かれる。壇蜜と間宮夕貴の演技力が光る作品は、石井隆監督の独特な視点で描かれるエロスと狂気の世界に引き込まれる。過去のトラウマやSの快感、恥辱と興奮が交錯する精神世界を堪能できる作品だ。衝撃的な展開やAV丸出しのSMプレイも見所の一つ。石井隆作品ならではの印象的な作品で、奈緒子の破滅的な過去と現在の葛藤に心を震えさせられる。

手塚治虫の作品を実写化した映画、『ばるぼら』は異常性愛者の主人公と彼女の愛を描いた作品。エロなシーンも多く、二階堂ふみの演技は見どころの一つ。稲垣吾郎の役柄もうまくはまっていたが、他の主要キャストの演技に微妙な感じも。原作未読者にはオススメできる作品だが、原作ファンからは若干違和感を感じるかも。手塚治虫の作品の普遍的なテーマを感じさせつつ、エロや異常性愛を描いた作品として楽しめる。音楽や演出も特徴的で、手塚ワールドを堪能できる作品となっている。

20代終盤の松坂桃李が挑む、性を描いた作品。R18＋指定の女性限定上映は大成功を収め、圧倒的な支持を得た。美ボディ満載の松坂桃李の全裸シーンに加え、ゲイの世界を垣間見る展開も。性描写は生々しく美しく、物悲しい。女性の性と社会の非対称性を描き、成長を遂げる主人公。官能映画かと思いきや、底に潜むストーリーに魅了される。アブノーマルな展開にビックリしつつも、俳優陣の演技や映像美に引き込まれる。松坂桃李の普通の男性像が異質な環境で描かれ、成長する姿に感動。感じる男性特有の魅力が際立つ作品だ。

ルイ（吉高由里子）はスプリットタンに舌ピアスに心奪われ、アマ（高良健吾）と出会い、シバ（ARATA）との関係にも悶々とする。殺意に興奮するアマに引かれるルイは、愛の証として歯を飲み込む。普通でいたいルイの若者像がリアルに描かれ、シバの怨念を背負いながらも生きる意味を探す。痛みと快楽が紙一重の激情作で、生死を感じさせる作品。フェチ描写も痛々しくエロティック。妄想を刺激し、現実と虚構の間で揺れ動く若者像が圧倒的で、印象に残る作品。

「石井監督」と「佐々木心音さん」が繰り広げる幻想的な物語。主人公が美しい空気人形（心音さん）と出会い、様々な展開が繰り広げられます。心音さんの美しい裸体と、激しいバイオレンスシーンが交錯し、視聴者をエロティックな世界へ誘います。登場するヤクザや変態的な性癖も魅力的で、異様な展開に魅了されます。一見、退廃的でいびつなストーリーも、ラストに向かう展開と柄本佑演じる主人公の成長が心を揺さぶります。浮遊する少女や奇妙な出会い、さまざまな要素が絡み合い、導かれる結末は鮮烈。飲みたいお酒でも、自堕落な気分に浸りながら楽しめる一作です。エモーショナルな体験を求める方におすすめです。

15年前に起きた集団レイプ事件をきっかけに尾崎俊介とかな子の関係が明らかになり、二人は不穏な共同生活を始める。俊介はかつての愚かな過去を悔い、かな子に贖罪する姿が微かな希望を感じさせた。二人の不幸な関係は周囲を驚かせつつも、幸せになることを求めずに共に生きる。かな子は事件を「なかったこと」にできず、トラウマを抱えつつも俊介との関係を確かめるため、別れを選ぶ。俊介は再びかな子を見つけ出し、共に暮らす道を選んだ。深い愛と苦しみが入り混じった展開は、心を揺さぶる感動を呼ぶ。幸せかどうかは別として、二人の人生が続くことが確かな愛の証となる。

内田英治の真骨頂が詰まった新作。女性映画監督がエロスを追い求める姿を描きながら、男社会での苦悩と戦いを描いた作品。環境や設定に違和感を感じるも、80年代の風景や面白い脇役が見どころ。監督の体験談やアルアルネタで盛り上げたR15成長劇。唯一無二のラストシーンで記憶に残る作品となった。男女の関係や映画製作の苦悩、映画への情熱が丁寧に描かれ、1988年の映画事情を垣間見ることができる。様々な困難を乗り越えながら映画を撮るミュージカル風の作品は、自分の人生そのものと結びついているかのような魅力がある。

TVショッピングを愛する孤独なナミ。狂気の一家に育てられ、狂気を受け継いだ彼女は孤独を満たすために血を流す。笑顔で幸せを求め、恐怖を振りまく。絶倫孤独死老人との遭遇、偏屈な塩見老人との対決。瀧内公美が演じるナミの狂気は見どころ。笹野高史演じる塩見老人の鬼気迫る演技も圧巻。キム・コッピ演じるスヨンの無垢な姿も愛おしい。孤独と混沌が織り成すサイコパスの世界には目が離せない。愛と狂気が渦巻くストーリー、必見の作品だ！

蜷川実花監督が手がける『人間失格』は、美しい映像とキャストの演技で魅了する作品。小栗旬、宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみらが演じる太宰治との関わりは色気ムンムン。太宰の魅力に取り憑かれる女性たちが織り成すドラマに、酔いしれてしまう。蜷川監督の奇抜な演出が時代にマッチし、美男美女たちが魅せるセクシーなシーンは見逃せない。太宰治の詩的な側面も描かれ、魅力的なキャラクターたちが展開する本作は、映画賞で高く評価されるべき作品だ。

江戸川乱歩の代表作の一つ、実相寺昭雄監督によるエロティックなミステリー映画。大正時代の斬新な舞台設定で、郷田役の窪田正孝が倒錯的な性的嗜好を持つ変人を見事に演じる。エロスを前面に押し出しながら、対照的な2人のヒロインが織りなす華やかな三角関係が楽しめる。監督の強いこだわりを感じられ、電球でエロいことをしないなど意外性も◎。オリジナルキャラクターが物語を盛り上げ、エロティックなサイコサスペンスが展開される。極上の官能ドラマとして、堂々と古典との融合を楽しめる傑作だ。

『痴人の愛 リバース』は男女逆転版で物語が展開。教師なおみが少年ゆずるを拾い、愛情が芽生える。初めは純愛で盛り上がるも、禁断の一線を越え、嫉妬と絶望に苦しむ。現代設定で異常さを感じず、肌や脚の描写が物足りない。演技やキャストは大人の事情により不満。筋書きは理解できるがエロス不足で没入感に欠ける。しかし、なおみの気持ちは共感でき、雰囲気やキャスティングは絶妙。原作ファンも納得のリスペクトを感じた名作のリバース版。衝撃的な結末に興奮すること間違いなし！

原田眞人監督の映画『検察側の罪人』は、エロいキムタクとニノの初共演が話題を呼んだ激アツ作品。検事のキムタクが実力を見せるかと思いきや、最上検事の復讐心が暴走してしまう。政治的私怨感情が絡んだ脚本には胡散臭さが漂うが、木村拓哉演じる最上の揺れる感情は見どころ。ただ、物語の展開には説明不足や結末の中途半端さが残念。二宮和也の熱演も印象的。正義のあり方や権力の問題を考えさせられる映画。キムタクのキャラクター設定に疑問符がつくが、緊迫感あふれる展開と二つの正義の対立から目が離せない。低い評価も、一度ご自身で確かめてみて。