映画『欲動』は、バリ島のまぶしい光と湿った風のなかで、ひと組の夫婦の心が少しずつ軋んでいく様子をじっくり映し出した、濃密な心理ドラマです。
斎藤工と三津谷葉子が演じるのは、病を抱えた夫と、その隣で「このままでいいのか」と揺れ続ける妻。
愛情と罪悪感、そして抑えきれない欲望のあいだで足を取られていく大人の男女の物語です。
バリの海やジャングルに包まれた宿で交わされる濡れ場は、ただの官能シーンではなく、肌と肌がぶつかるたびに二人の心の距離がずれていくのが見えてくる、少し苦い交差点のように感じます。
三津谷葉子の堂々としたヌードや、汗ばむ肌、吐息が漏れる横顔はエロティックなのに、どこか不安定で、そのアンバランスさにすーっと心を持っていかれました。
触れれば楽になれる気がする、でも何かが壊れてしまいそう――そんなぎりぎりの温度をまとった『欲動』は、「欲望と生きること」の境目をそっと突いてくる、大人向けの静かな衝撃作だと思います。
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目次
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映画『欲動』あらすじ紹介
「欲動」というタイトルのとおり、この映画には言葉にしづらい“何かに引き寄せられてしまう感覚”が、ゆっくりと漂っています。
舞台は、昼は容赦なく太陽が照りつけ、夜は湿った暗闇と星空が支配するバリ島です。
全編バリで撮影されたこともあって、風がヤシの葉を揺らす音や、遠くから聞こえる波のリズムが、そのまま登場人物たちの心のざわめきと重なっていきます。
画面を眺めているだけでも、じわじわと体温が上がるような感覚に包まれます。
中心となるのは、三津谷葉子が演じる妻・主人公の視点です。
彼女は、重い病を抱えた夫とともにバリに滞在しながらも、夫婦としてのこれからにどこか答えを出せずにいます。
夫を支えたい気持ちは確かにあるのに、その一方で、自分の身体の奥から湧き上がってくる欲望や不安を押し込めきれず、笑っている顔の裏で常に揺れているような女性です。
三津谷葉子は、視線の泳がせ方や、少しだけ肩が落ちる瞬間など、細かな動きでその揺らぎを表現していて、観ている側も思わず息を詰めてしまいます。
物語は、彼女の内面的な葛藤と「欲動」が、バリという異国の空気に触れることでどう変化していくのかを追いかけていきます。
ストーリー自体は説明的ではなく、セリフも最小限。
ときに“何が起きたのか”を言葉で追うより、“今どう感じているのか”を想像しながら観るタイプの作品です。
だからこそ、一見するとストーリーが掴みにくく感じる瞬間もありますが、その曖昧さのなかに、この作品ならではの魅力があります。
波打ち際でじっと佇む姿や、誰もいない部屋のベッドにひとり腰を下ろす後ろ姿など、“間”のショットにこそ本音が滲んでいるように思えます。
バリ島の時間は、日本の都会とはまったく違う速さで流れていきます。
炎天下の砂浜を裸足で歩くシーンや、湿った風が髪やワンピースの裾をムチムチと揺らすカットは、ただの観光映像を超えた“心の背景”になっています。
この作品のもう一つの特徴は、監督でもある杉野希妃が、自ら妹役として登場していることです。
血のつながりのような近さと、どうしても埋められない距離感が同時に感じられ、その関係性が物語にさらに層を重ねています。
杉野希妃独特の存在感は、説明されない感情の行き場を表しているようで、観客側の想像を刺激します。
表面上は大きな事件が起きていないようで、その実、登場人物たちの内側では小さな決壊が何度も起きている――そんな微細な変化を、静かなトーンで追っていくのが『欲動』です。
バリの荒々しい自然の中で揺れるひとりの女性の姿は、人生の複雑さと、それでもどこかにある美しさを同時に思い出させてくれます。
三津谷葉子が纏う“弱さとしたたかさ”のバランスは、エンドロール後もふとした瞬間によみがえるような印象を残します。
映画『欲動』基本情報・キャスト
| 評価 | 2.4 |
|---|---|
| 公開日 | 2014年11月22日 |
| 上映時間 | 97分 |
| 監督 | 杉野希妃 |
| 脚本 | 山口幸彦 |
| 原作 | |
| キャスト | 三津谷葉子,斎藤工,杉野希妃,コーネリオ・サニー,トム・メス,高嶋宏行,松崎颯 |
| 製作国 | 日本 |
映画『欲動』見どころ3選！
三津谷葉子に見入ってしまう！
バリ島の強い日差しと湿気のなかに立つ三津谷葉子の姿は、それだけで目を奪われます。
病を抱えた夫と向き合うときの優しい笑みと、ひとりになった瞬間にふっと力が抜けて尻が落ちるような立ち姿、そのギャップがとてもリアルです。
会話のない時間に、少し乾いた唇をなめる仕草や、汗で首筋に張り付いた髪をかき上げる動きに、言葉以上の本音がにじんでいるように感じました。
夫への愛情と、「このままでいいのか」という苛立ちや不安が同時に渦巻いているのが、目線の揺れや浅く乱れた吐息から伝わってきます。
派手に泣き叫んだりはしないのに、胸の奥がじわっと重くなるような演技で、気がつくと彼女の一挙手一投足を追いかけてしまいました。
三津谷葉子が出演している映画！↓
エロティックでエキゾチック
『欲動』の大きな魅力は、エロティックなシーンとバリのエキゾチックな風景が絡み合っているところです。
薄い布一枚のワンピース越しに、風が吹くたびヒップラインや脚のラインがムチムチと浮かび上がり、波打ち際で濡れた肌に光がピタッと張り付くカットは、思わず「エロ…」と声が出そうになります。
ベッドの上での絡みでも、腰つきがゆっくり揺れたり、胸がぶるんと波打ったりする描写が、南国の湿った空気と相まって、じっとりとした色気を醸し出していました。
とはいえ、単なるヌードの連続ではなく、相手との距離の詰め方や、身体を預けるときの迷いなど、心の動きがしっかり見えるのがこの作品の面白さです。
バリの夜の暗さと、肌の白さのコントラストも美しく、エロスと異国情緒のバランスが絶妙な一本だと感じました。
エロティックなシーンが見れる映画！↓
濡れ場シーンとヌードシーンの持つ意味
この映画に登場する濡れ場やヌードシーンは、「とりあえず刺激を足しました」というものではありません。
どの場面も、登場人物たちの心の状態と密接に結びついています。
特に印象的なのは、妻が現地のジゴロと関わるシーンです。
肌と肌が密着し、脚を絡めるたびに、彼女の表情がほんの少しずつ変わっていくのが分かります。
最初は戸惑いと罪悪感が混ざったようなぎこちなさがあり、やがて一瞬だけ肩から力が抜けて、「ここに逃げ込んでしまいたい」というような解放感が垣間見えます。
その後に訪れる静かなショットでは、濡れてた髪を指で梳きながら、どこか遠くを見つめる横顔が映し出され、先ほどの行為が彼女にとって単なる快楽ではなかったことを示しています。
脱いだこと、抱かれたことが、心の中の何を揺さぶったのか――そこを想像しながら観ると、濡れ場やヌードシーンの意味合いがぐっと深く感じられるはずです。
映画『欲動』エロい濡れ場やヌードシーン
三津谷葉子のエロシーン
三津谷葉子さんが見せるエロシーンは、この『欲動』の中でも思わず息をのむパートです。
薄い布のワンピースから浮かび上がる胸のラインや、汗でしっとり濡れた肌がゆっくりカメラに寄ってくる感じが、じわじわとエロさを高めてきます。
胸元が揺れるたびにぶるんと弾むような動きがあって、そこに三津谷さん特有のアンニュイな表情が重なるので、「色っぽい」を通り越してちょっと危うい雰囲気さえ漂っていました。
乳首がふっと布越しに浮かぶようなショットもあり、あからさまではないのにピタッと視線を奪われます。
ただ見せるだけではなく、呼吸の乱れや吐息の熱さが伝わってくるような演出で、物語全体の緊張感まで一段階引き上げている印象です。
三津谷葉子という女優の「体」と「演技」が一体になった、かなり攻めたエロシーンだと感じました。
インパクトのある濡れ場
この映画の濡れ場は、一言でいうと「エロいけど、それだけじゃ終わらない」タイプのシーンです。
でもただのサービスカットではなく、登場人物たちの感情がちゃんと乗っているのがポイントです。
肌と肌が密着して、脚を絡めたまま腰つきがゆっくり揺れていくカットでは、快楽だけじゃなく迷いや後ろめたさが混ざったような空気が流れています。
相手の背中に回した手がギュッと食い込んだり、触れられた瞬間に体がビクッと反応したり、細かな動きひとつひとつから心の揺れが伝わってきました。
カメラも近すぎず遠すぎずで、汗ばんだ肌のテカリや、胸の揺れ、尻のラインがムチムチと動くのをしっかり捉えつつ、あくまで物語の一部として見せてくれます。
感情のこもったエロい濡れ場なので、観ている側もただの性的な刺激として消費しにくく、画面に釘付けになってしまうタイプのシーンだと思いました。
リアルで生々しいSEXシーン
SEXシーンに関しても、『欲動』はかなりリアル寄りです。
変にキレイにまとめず、ちょっとした生々しさをそのまま残しているのが印象的でした。
覆いかぶさる体の重みでシーツがぐしゃっと寄ったり、押しつけられた尻が沈み込みながら腰つきが上下に揺れたり、そういう“重さ”まで伝わってくる描写です。
三津谷葉子さん演じるキャラクターの表情も、うっとりするだけではなく、ふと目をそらしたり、唇を噛んだりと、快楽と葛藤が入り混じったようなリアクションになっていて、単純にヌードを見せるだけのシーンとは違う重みがあります。
絡み合う腕や脚の位置、汗で濡れてた肌が触れ合ってピタッと張り付く感覚まで想像できるような撮り方で、観ている側まで少し息が上がりそうでした。
その一方で、終わったあとの空気が妙に静かで、ただの肉体関係ではなかったことをさらっと示してくるのもこの映画らしいところです。
キャラクターたちの心の動きが、SEXシーンを通してよりハッキリ見えてくる構成になっていると感じました。
映画『欲動』予告編
DMM TVで配信中
映画「欲動」初日舞台あいさつ
映画『欲動』感想
バリの美しい景観が楽しめる
バリ島ロケというだけでちょっと惹かれて観たのですが、やっぱり風景の力はすごいですね。
緑の濃さ、海の青さ、湿った空気の重さまで画面から伝わってくるようで、「ああ、こういう場所で人間関係がこじれると、余計に逃げ場がないよな」と妙に納得してしまいました。
静かに流れるガムランの音や、儀式のダンスのシーンも、観光映像っぽく見せるのではなく、物語の背景としてさらっと置いてあるのが心地よかったです。
ラスト付近は正直「え、ここで終わるの？」と感じるくらい説明が少なくて、最初は消化不良ぎみでしたが、時間をおいて思い返してみると、あの曖昧さが“欲望の行き着く先”の答えのなさを表しているのかな、とも受け取れました。
ストーリーをきっちり理解したい人には物足りないかもしれませんが、「バリの湿度と人間の欲望の湿度」が似ているのを味わうには、十分すぎる一本だと思います。
三津谷葉子の濡れ場、挑戦的な演技
三津谷葉子目当てで観たところも正直ありますが、期待以上に攻めた役どころでびっくりしました。
単に服を脱ぐだけじゃなくて、歩き方や座り方、脚の組み替え方一つにも“女としての迷い”みたいなものがにじんでいて、濡れ場のシーンもその延長線上にある感じです。
ベッドで密着したときの腰つきや、胸がぶるんと揺れるカットにドキッとしつつ、その表情の奥には「これでいいのかな」という不安が見え隠れしていて、観ていて妙に切なくなりました。
なぜ彼女がその行動に踏み切るのか、背景説明がもう少し欲しいところもありますが、それを想像で補えるくらい、目線や吐息の演技で語ってくれている印象です。
今までのイメージより、かなり生々しくて大人っぽい三津谷葉子が見られるので、彼女のファンなら一度はチェックしておきたい作品ですね。
エロさ控えめのヌードシーン
ヌードシーン自体は決して少なくないのに、「ガッツリエロ映画」という感じになっていないのも『欲動』の特徴だと思いました。
三津谷葉子の裸は、もちろん胸や尻のラインがしっかり映っていてムチムチのボディを堪能できるのですが、どこか彫刻を見ているような感覚もあって、あまり下品な方向には振れていません。
バリの強い光に照らされて浮かび上がる肌の色と、陰影のコントラストがきれいで、「エロいけど同時に絵として美しい」というバランスを狙っているのが伝わってきます。
直接的なエロさを前面に押し出すというよりは、「人間の身体ってここまで正直なんだな」と思わせる見せ方で、欲望と孤独をテーマにしたこの作品には合っていました。
バリの神秘的な雰囲気と相まって、観る人によっては「これは何を表現したかったんだろう？」と考えさせられるかもしれませんが、そのモヤモヤも含めて“欲動”なんだろうな、と最後には妙に納得してしまいました。
映画『欲動』まとめ
『欲動』は、バリ島という非日常の空間を借りて、夫婦関係や人間の欲望をじわじわとあぶり出していく大人向けのドラマです。
重い病を抱えた夫と、その隣で揺れ続ける妻。
ふたりの間に流れる沈黙が長ければ長いほど、言葉にできない感情が積み重なっていくのが伝わってきて、観ている側も少しずつ心がざわついてきます。
そこに、三津谷葉子のヌードや濡れ場が“ショック”ではなく“説得力”として差し込まれているのが、この作品の面白いところだと感じました。
一方で、バリの海や森、夜の闇といった自然の存在感も強く、映像を眺めているだけでも満足感があります。
汗ばんだ肌や密着した身体の熱、乱れた吐息といったエロティックな要素も多めですが、どれも人物の内面とつながっているので、単なる官能映画とは違う後味が残ります。
受け取り方は人それぞれですが、「自分ならこの状況でどうするだろう」「何を選ぶだろう」と考えさせられる一本でした。
バリの景観を楽しみつつ、濃厚な大人のドラマと、攻めた濡れ場を味わいたい人には、じっくり向き合ってほしい作品です。
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