映画『遠くへ，もっと遠くへ』は、いまおかしんじ監督が描く、大人になってからの“逃げ場”と“再出発”が交差するロードムービーです。
夫との別れにまだ踏ん切りがつかない小夜子と、行方不明になった妻をどこか諦めきれない洋平。
ふたりの行き場のない孤独が重なったとき、東京から北海道へと続く長い道のりが始まります。
主演の新藤まなみが演じる小夜子は、壊れかけた心を抱えながらも必死に前を向こうとする女性。
その不安定さと強がりが、車内での何気ない会話や、ふとこぼれる笑い、時には肌を重ねる濡れ場にまで滲み出ていて、目が離せません。
旅の途中で映し出される素朴な風景や、少し乾いた空気をなでるように流れる音楽が、ふたりの距離と心の揺れを静かに裏打ちしていきます。
観終わったあと、遠く離れた誰かの顔がふっと浮かぶような――そんな“遠さ”と“近さ”を同時に感じさせてくれる一本です。
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目次
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映画『遠くへ，もっと遠くへ』あらすじ紹介
映画「遠くへ，もっと遠くへ」は、居場所をなくしかけた大人同士が、ふとしたきっかけで同じ車に乗り込み、北へ北へと走りながら、自分たちの人生をもう一度見つめ直していく物語です。
小夜子（新藤まなみ）は、性格のすれ違いから夫と離婚話が進んでいる最中の女性。
感情をうまく言葉にできないかわりに、突然踊り出したり、鼻歌のように歌い出したりする少し奇妙な一面を持っています。
それは彼女の中にあるリズムであり、どうにもならない辛さをごまかすための小さな防御でもあります。
一方で、旅の同行者となる洋平は、すでに家を出て行った妻をまだ追いかけている男。
栃木から、行き先である北海道まで、細い希望にしがみつきながら長距離を走り続けることになります。
ふたりはそれぞれ失った愛に未練を抱えたまま、同じ車で道のりを共にするうちに、少しずつ相手の存在に頼るようになっていきます。
缶コーヒーを分け合うようなささいな仕草や、車中泊で聞こえる相手の吐息など、距離の近さがそのまま心の近さになっていく過程が丁寧に描かれていきます。
この旅は、単なる地図上の移動ではありません。
小夜子と洋平が、過去の自分を引きずったままでも、新しい一歩を踏み出せるのかどうかを試される“内側の旅”でもあります。
道中、小夜子は時に周りを呆れさせるほどマイペースに振る舞いながらも、洋平の落ち込みを笑いに変えたり、自分で自分を鼓舞するように踊ってみせたりします。
その奇妙な行動が、重くなりがちなふたりの空気をすっと軽くしてくれるんですね。
やがて、洋平はついに妻と再会します。
しかし彼女の口から告げられるのは、「もう戻らない」という冷たくもはっきりした言葉。
その一言は、小夜子と洋平どちらにとっても大きな打撃となり、ふたりの旅の意味そのものを揺さぶります。
それでもなお、小夜子と洋平は“失ったもの”にしがみつくのか、それとも“これからの時間”に目を向けるのか。
旅路を通して、ふたりは少しずつ答えを選び取っていきます。
ラストには、思い描いていたのとは少し違う形かもしれないけれど、それでも確かに前に進もうとするふたりの姿が待っています。
「遠くへ，もっと遠くへ」は、車と道とふたりだけというシンプルな構図で、人と人が再びつながろうとする瞬間を描いた作品です。
新藤まなみの不安定さと愛らしさが同居する演技が、そんな繊細な物語にしっかり寄り添い、観る側にも自分自身の“遠くへ行きたい気持ち”をそっと思い出させてくれるでしょう。
映画『遠くへ，もっと遠くへ』基本情報・キャスト
| 評価 | 3.2 |
|---|---|
| 公開日 | 2022年8月13日 |
| 上映時間 | 107分 |
| 監督 | いまおかしんじ |
| 脚本 | 井土紀州 |
| 原作 | |
| キャスト | 新藤まなみ,吉村界人,和田瞳,川瀬陽太,大迫一平,佐渡寧子,黒住尚生,広瀬彰勇,佐藤真澄,茜ゆりか |
| 製作国 | 日本 |
映画『遠くへ，もっと遠くへ』見どころ3選！
新藤まなみが魅力的！
新藤まなみさんの存在感に、良くも悪くも目が釘付けになります。
演技力については賛否あるかもしれませんが、線の細い体つきなのに、笑うときの口元や、涙をこらえたときに震えるまぶた、時々ムチっとした太ももや尻のラインがちらっと見える感じなど、画面に映っているだけで妙に気になる女優さんです。
ふいに歌い出したり、訳のわからないテンションで踊り出したりと、言動はかなりクセ強め。
それでも、車の窓にもたれて遠くを見つめる横顔や、汗で少し張り付いた髪をかき上げる仕草には、孤独と色気が一緒になったような不思議な魅力があります。
完璧に計算された“上手さ”ではなく、危うさ込みの生っぽい表現に惹かれるタイプの人にはたまらないヒロインだと思います。
グラドルの濡れ場が見れる映画！↓
エロいシーンが意外と深みを増す
この作品の濡れ場は、数そのものは多くないのですが、ひとつひとつが二人の関係の変化を象徴しているように見えました。
最初は、寂しさを紛らわせるように始まる抱き合い方で、肌は密着しているのに心はどこか遠いまま。
ぎこちない腰つきや、縋るように相手の背中に回された腕から、その距離感のズレが伝わってきます。
ところが旅を進めるうちに、同じベッドシーンでも雰囲気が変わっていきます。
胸がぶるんと揺れるカットや、脚を絡めて相手を離さないようにする動き、汗ばんだ肌同士がピタッとくっついて離れない感じが、次第に“埋め合わせのセックス”ではなく、“今この人といたい”という気持ちに変わっていくのがわかるんですね。
ただ刺激的な絵を見せるためではなく、人物の心の動きを映す装置として濡れ場が機能していて、その点で意外とドラマの厚みを支えていると感じました。
エロティックなシーンが見れる映画！↓
雄大な自然美と音楽の調和
この映画で強く印象に残るのが、旅の終盤にかけて映し出される北海道の風景と、そこで流れる音楽の組み合わせです。
どこまでも続く畑や、少し曇った空の下に立つ歴史ある教会。
その中で響く「アヴェ・マリア」のような荘厳な声楽が、二人の旅に不思議な厚みを与えています。
さっきまで車内でくだらない話をしていたふたりが、その音に包まれた瞬間だけは、何か大きなものの前に立たされているようにも見えました。
風に揺れる草や、石畳を踏む足音、教会の中の静けさと音楽が重なることで、観ている側の気持ちも自然とスッと落ち着いていきます。
ロードムービーとしての爽快感というより、長い旅の末にようやく息をつけたような安堵があって、その時間がとても心地よかったです。
自然のスケールと音楽の力を、低予算ながらうまく掴んでいるシーンなので、ここはぜひ集中して味わってほしいポイントです。
映画『遠くへ，もっと遠くへ』エロい濡れ場やヌードシーン
新藤まなみの濡れ場
映画「遠くへ，もっと遠くへ」で新藤まなみさんが見せる濡れ場は、思っていた以上に生々しくてドキッとさせられます。
薄暗い部屋で服を一枚ずつ外していく流れがわざとらしくなくて、ブラがずれた瞬間に胸がぶるんと揺れ、乳首がふっとあらわになるカットは、エロさと同時に彼女の無防備さも伝わってきます。
汗がうっすら浮いた鎖骨やお腹のあたりの肌のテカり具合もリアルで、触れたらすぐにでも熱が伝わってきそうな質感です。
相手に抱きしめられたときの体のこわばりが、だんだん解けていく様子や、密着したまま小さくビクッと震える肩の動きなど、細かい仕草にも感情がにじんでいて、単なるサービスショット以上の濡れ場になっていますね。
衝撃的なエロシーン
中でも印象に残るのは、感情が爆発したあとに流れ込むように始まるエロシーンです。
ケンカのような言い合いの直後に、唐突に抱き合って床に倒れ込む流れがかなり衝撃的で、押し倒された瞬間にスカートがめくれて脚があらわになり、ムチムチした尻のラインがくっきり映し出されます。
上から覆いかぶさられて胸をつかまれたとき、乳首が指の間からチラッと見えるカットもあって、思わず息を呑みました。
激しく揺れる腰つきやシーツの乱れ方だけを見るとかなりエロいのですが、その裏側には行き場のない怒りや寂しさが絡み合っていて、単に“燃え上がるSEX”というより、感情の逃げ場としての行為に見えるのが、このシーンの妙に後を引くところです。
リアルなSEXシーン
SEXシーン全体の雰囲気としては、AV的な見せ方というより、現実に近い“生っぽさ”が重視されている印象でした。
最初はどこかぎこちない密着から始まって、互いの身体が慣れてくるにつれて腰のリズムが変わっていく様子や、抱きしめ合う腕に力が入ったり抜けたりする様子が、かなりリアルです。
シーツに押し付けられた尻のムチムチした感じや、揺れる胸の動きもちゃんと“重さ”を感じさせます。
耳元で漏れる吐息や、息が詰まって一瞬ピタッと動きが止まる瞬間が、感情とリンクしていて、見ているこちらもつい息を合わせてしまうようでした。
エロさで引っ張りつつも、ふたりの心の距離が少しだけ変わっていくプロセスまで映しているのが、この映画の濡れ場の面白さだと感じます。
映画『遠くへ，もっと遠くへ』予告編
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映画『遠くへ，もっと遠くへ』感想
新藤まなみの役作りが深い
新藤まなみさんは、正直うまいとか下手とかの一言では片づけにくいタイプの女優だな、とこの作品を観て感じました。
小夜子として画面に立っているだけで、ちょっと落ち着きがない視線や、些細なことでビクッと反応してしまう肩の動きに、「この人、今かなり無理して笑ってるな」と思わせる説得力があります。
セリフよりも、黙っている時間のほうが彼女の内面が伝わる感じがして、そこがとても良かったです。
完璧に作り込まれた演技というより、危うさ込みの“生身の人間”としてそこに存在しているようで、気づいたらずっと彼女の表情を追っていました。
新藤まなみって、こういう役をやらせると本当にハマるんだなと再確認させられましたね。
感動的なストーリーテリング
物語のなかで、小夜子が歌を披露するシーンがあるのですが、個人的にはここがかなり好きでした。
田舎出身の女性が、決して華やかなステージではなく、ちょっとした場でぽつんと歌い始める。
その歌声がすごく上手いというより、「今まで飲み込んできた気持ちが、やっと音になって出てきた」という感じで、素朴なのに胸に残りました。
歌い終わったあとの、少し照れたような表情も含めて、とても人間くさいワンシーンです。
この映画はエロティックな要素も確かにありますが、ストーリー自体はかなり真っ当なロードムービーで、キャラクターたちの心の動きが丹念に追われています。
派手な事件が起きなくても、ふとした会話やちょっとした沈黙だけで、じわっと感情が動くタイプの作品でした。
ヌードの表現が美しい
ヌードやSEXシーンの扱いについては、観る前は「かなり攻めた作品なのかな」と身構えていたのですが、実際にはかなり丁寧な見せ方をしていると感じました。
胸や尻がしっかり映るカットはあるものの、単に裸を見せるためだけのショットではなくて、「このタイミングでこの人はなぜ服を脱ぐのか」という必然性がちゃんとあります。
絡みのシーンも、脚を絡めて相手にしがみつくようにムチムチと動くカットや、シーツの上で肌同士がピタッとくっついて離れない瞬間など、肉体のリアルさと感情の入り混じり方がうまく重なっていました。
SEXシーンが多いからこそ、人と人との距離感の近さや、そこに潜むわずかなズレが浮き彫りになっていて、ただのエロスにとどまらない“人間ドラマとしてのヌード”になっていると思います。
映画『遠くへ，もっと遠くへ』まとめ
『遠くへ，もっと遠くへ』は、居場所をなくした男女が同じ車に乗り込み、北へと走りながら、それぞれの孤独と向き合うロードムービーです。
いまおかしんじ監督らしい、ゆるいユーモアと少し投げやりな会話が挟まる一方で、SEXやヌードを通してむき出しになる感情もきちんと描かれていて、軽さと重さがいい具合に同居しています。
新藤まなみの奔放でリアルな感情表現が、作品全体のトーンを決めていると言ってもいいかもしれません。
客観的には、孤独と再生をテーマにしたシンプルな物語です。
ただ、主観として観ていると、登場人物たちの不器用さや、どうしようもない執着が意外と自分の日常と重なってきて、観終わったあともふとシーンを思い出してしまいます。
静かめですが、じわっと残るタイプの一本でした。
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