映画『聖なる蝶 赤い部屋』は、江戸川乱歩の歪んだ幻想世界をベースに、現代の空気をまとわせたエロティック・サスペンスです。
栗林藍希が演じる少女・ルミと、彼女に異様な執着を見せる元教師・杉浦の関係は、“赤い部屋”と呼ばれる閉ざされた空間の中で、少しずつ常識のラインを踏み越えていきます。
そこに、波岡一喜の不穏な存在感と、川上奈々美のどこか危険な色気が絡み、ただのラブストーリーでも単なる猟奇ものでもない、妙に後味の残る物語が立ち上がっていきます。
大胆な濡れ場やヌードも登場しますが、単に刺激を狙うのではなく、登場人物たちの欲望や孤独を浮かび上がらせるための一部として組み込まれているのが印象的です。
本記事では、『聖なる蝶 赤い部屋』の無料視聴方法に触れつつ、物語の流れやキャストの見どころ、観終わったあとに少しだけ気持ちをかき乱してくるポイントを、分かりやすく整理していきます。
「触れないほうが楽かもしれない感情」に、あえて近づいていく物語に興味がある方は、ぜひ一度この世界を覗いてみてください。
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目次
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映画『聖なる蝶 赤い部屋』あらすじ紹介
映画『聖なる蝶 赤い部屋』は、江戸川乱歩の「悪魔人形」から着想を得た作品で、教師と教え子という関係から、徐々にねじれた執着へと向かっていく過程を描いています。
物語の軸にいるのは、女子高生たちを盗撮していた過去が露見し、教師を解雇された男・杉浦です。表向きは物静かな中年男性ですが、その内側には満たされない欲望と後ろめたさが渦を巻いています。
ある日、杉浦の前に一人の少女が現れます。栗林藍希が演じるルミです。彼女はかつて杉浦と関わりがあった生徒で、優しく接してくれた彼のことを、本人以上に覚えていました。
ルミは一度は学校を離れたものの、再び制服姿で杉浦の前に現れます。その姿は、杉浦が過去に心のどこかで抱えていた“理想像”と重なり、彼の中で抑え込んでいた感情を呼び起こしていきます。
物語が進むにつれて、杉浦はルミに対して「守ってやりたい」という感情と、「自分だけのものにしたい」という危うい欲望のあいだで揺れ始めます。ルミの側にも、ただ慕っているだけではない、複雑な感情や秘密があることが少しずつ見えてきます。
そこに、川上奈々美が演じる謎めいた女性が絡んできます。登場時間はそう多くないものの、杉浦の過去と欲望に別の光を当てる役割を担っており、物語にもう一段階の不穏さを加えています。
映画全体は、どこか昭和の香りがするようなレトロな質感で撮られていて、古いビデオテープや薄暗い部屋、色味を抑えた画面が特徴的です。その雰囲気の中で、杉浦とルミの関係性は、教師と生徒という枠を越えて、観る側がどこか居心地の悪さを覚えるほど歪んだ方向へと進んでいきます。
登場人物たちは、決して善悪がはっきり分かれたキャラクターではなく、それぞれが自分なりの正しさや寂しさを抱えながら行動しているように見えます。その選択の積み重ねが、ラストに向けてじわじわと効いてきます。
『聖なる蝶 赤い部屋』は、ただの教師と女子高生の関係を描いたスキャンダラスな作品ではなく、「愛情」と呼んでしまうにはあまりに歪んだ執着や、取り返しのつかない過去にしがみつこうとする人間の弱さを、じっと見つめるような映画です。
観終わったあと、誰が一番悪いのか、何が“恋”だったのか、はっきり言葉にしづらい感覚だけが残り、その曖昧さ自体がこの作品らしさともいえるつくりになっています。
映画『聖なる蝶 赤い部屋』基本情報・キャスト
| 評価 | 3.2 |
|---|---|
| 公開日 | 2021年4月16日 |
| 上映時間 | 75分 |
| 監督 | 窪田将治 |
| 脚本 | 窪田将治 |
| 原作 | |
| キャスト | 栗林藍希,波岡一喜,柾木玲弥,柳憂怜,木下ほうか,草野康太 |
| 製作国 | 日本 |
映画『聖なる蝶 赤い部屋』見どころ3選！
栗林藍希の圧倒的演技力
この映画でまず目を引くのは、栗林藍希が演じるルミの存在感です。
最初はどこにでもいそうな、少し影のある女子高生に見えるのですが、物語が進むにつれて、彼女が杉浦に向ける視線や、言葉を飲み込むような間に、別の温度がにじんでいきます。
普段は控えめで感情を大きく表に出さないキャラクターだからこそ、ふとした瞬間の笑い方や、黙り込んだときの目の揺れが、とても印象に残ります。「本当に信頼しているのか」「試しているのか」「何かを隠しているのか」など、観ている側がつい考えてしまうような演技でした。
制服姿で部屋に立つだけのシーンでも、その場の空気が変わる感じがあって、ルミというキャラクターがこの物語を引っ張っていることがよく分かります。大げさな芝居ではないのに、最後まで彼女の表情から目が離せませんでした。
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川上奈々美のエロい魅力
川上奈々美は、本作では出番こそ長くないものの、現れた瞬間に場の空気を変えてしまうような強さを持っています。
杉浦との関わり方も、正面からぶつかるというより、少し距離を取りながらも相手の懐に入っていくような立ち位置で、その余裕のある大人の雰囲気が際立っていました。
濡れ場のシーンでは、身体を見せること自体よりも、相手に近づくときのスローペースな動きや、視線の絡め方に色気が乗っていて、露出よりも「どう触れるか」「どう距離を詰めるか」で魅せてくるタイプです。
彼女がいることで、物語の世界に大人の匂いが加わり、杉浦とルミの関係とは違う“危険さ”や“甘さ”が浮き彫りになるのも面白いところだと感じました。
濡れ場とヌードで禁断の愛を表現
「聖なる蝶 赤い部屋」では、濡れ場やヌードシーンがいくつか登場しますが、どれも物語の中で感情の転換点として使われている印象があります。
教師と生徒が一線を越える場面では、肌と肌が近づく距離感や、相手に触れる手の位置、呼吸の荒さなどを通して、「もう元には戻れない」という空気がじわっと伝わってきます。画面の中での密着やヌードは、単なる刺激ではなく、それぞれの登場人物にとっての“選択の瞬間”として機能しているように見えました。
刺激的なシーンを求めて観ることもできますが、そこで交わされる視線や間をじっくり追っていくと、登場人物の心の動きがより立体的に見えてきます。禁断の関係がどのように形を変えていくのか、その節目節目を象徴するシーンとして、濡れ場やヌードが配置されている点は、この作品の大きな特徴のひとつだと感じました。
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映画『聖なる蝶 赤い部屋』エロい濡れ場やヌードシーン
栗林藍希の大胆な濡れ場
映画「聖なる蝶 赤い部屋」では、新人女優栗林藍希が大胆不敵な演技を見せつけます。
特に彼女の濡れ場シーンは、衝撃的でセンセーショナル。
エロいシーンが連続する中で、栗林さんの演技は自然体でありながらも、その乳首の露出や濃厚な表現が、観る者の目を釘付けにします。
普段は見せない彼女の新たな一面を、この映画で体感できることでしょう。
エロさが際立つこのシーンは、彼女の魅力を余すことなく引き出しています。
川上奈々美との官能的なSEXシーン
川上奈々美さんも、この映画の中でしっかりと存在感を放っています。
彼女が登場するシーンはどれも、身体のラインや動きそのものより、近づき方や距離の詰め方に色気が宿っているのが印象的です。ゆっくりと相手に身を預けていく流れや、視線を絡めていく表情の変化が、官能的なムードをじわっと高めていきます。
川上さん特有の、どこか余裕を感じさせる目つきやしなやかな動きが加わることで、作品全体の“エロさの温度”が一段階上がっているように感じました。
光と影の使い方も相まって、肌の質感や密着したときの温度まで想像させるような撮られ方になっていて、彼女が画面に現れるたびに空気がピタッと張り詰めます。
全体として、川上奈々美さんの大人の色気と、役としての危うさがバランスよく混ざり合ったシーンが多く、演技とエロティックな雰囲気の両方を楽しめるパートになっています。
主演二人のエロシーン
栗林藍希と川上奈々美、二人の女優が一緒に映る場面は、「聖なる蝶 赤い部屋」の中でも特に印象に残るパートです。
二人の“温度”が違うからこそ、同じ画面に収まったときのバランスが独特で、静かな緊張感とどこか濃密な雰囲気が同居しています。言葉数はそれほど多くなくても、ちょっとした視線のぶつかり合いや、身体の向きの変化だけで、関係性の危うさが伝わってくるつくりになっています。
カメラワークも、必要以上に煽らずに距離を保ちながら、二人の近さや緊張をじわじわ見せていくスタイルで、強いエロスというより“禁断の空気”をじっくり煮詰めているような印象でした。光の当て方や色味も含めて、どこか舞台の一場面を切り取ったような、少しアート寄りの見せ方になっているのも特徴です。
エロさだけを押し出すのではなく、二人の感情のぶつかり合いや、言葉にできないモヤモヤが画面の奥に残るようなシーンになっていて、観ている側としてもつい目を凝らしてしまう場面が多かったです。
映画『聖なる蝶 赤い部屋』予告編
映画『聖なる蝶 赤い部屋』感想
栗林藍希の脱ぐ決断
栗林藍希さんがヒロインとして、この作品で“かなり攻めた役どころ”に挑んでいるのは、やっぱり気になるポイントでした。
「どうしてこのタイミングでこういう作品を選んだんだろう」と、観る前から少し構えてしまったのですが、実際に観てみると、単に脱いでいるだけではなく、あどけなさと危うさの両方を抱えた人物像を丁寧に作ろうとしているのが伝わってきます。
キャリア的にプラスかマイナスかは、正直観る人次第だと思います。ただ、制服姿でのあどけない表情と、大人たちの世界に引きずり込まれていくような視線の変化をここまで見せたのは、かなり勇気のいる選択だったはずで、その覚悟は画面越しにも感じました。
個人的には、この作品一本だけで評価が決まってしまうのはもったいないなと思いつつも、「この挑戦が次にどう繋がるのか」を見てみたい、そんな不思議な余韻が残りました。
波岡一喜の異色キャラクター
波岡一喜さんが演じる主人公は、“ロリコンの元教師”というかなり攻めた設定で、事前情報だけだともっとギラギラした変態ぶりを想像していました。
ところが実際の印象は、露骨な気持ち悪さよりも、どこか情けなさや弱さが前に出ているキャラクターで、「こういう人、現実にもいそうだな」と妙にリアルに感じました。変態として振り切った怖さは少し物足りない一方で、普通の中年男がじわじわと一線を越えてしまう危うさは伝わってきます。
自分としては、“怪物”というより“ダメな大人”として描かれている印象が強くて、その匙加減は波岡さんならではの演技なのかなと感じました。期待した方向とは少し違いましたが、それはそれでこの作品のトーンには合っていた気もします。
川上奈々美のチョイ役でも存在感
川上奈々美さんがチョイ役で出ていると聞いて、「本当にちょっとしか出ないのかな？」と思いながら観たのですが、短い出番でもやっぱりしっかり記憶に残りました。
出てくるだけで画面に大人の色気と怪しさがふわっと乗る感じがあって、物語の空気が一瞬華やぐというか、陰影が濃くなるというか……。セリフの量は多くないのに、その場を支配するような立ち方や目線の使い方がさすがだなと思いました。
ファンとしてはもっと長く見ていたかった気持ちもありますが、「あの短い時間でここまで印象を残すのか」と改めて感じさせられる出演の仕方でした。川上奈々美目当てで観ても、きちんと“観た甲斐”はあると思います。
映画『聖なる蝶 赤い部屋』まとめ
『聖なる蝶 赤い部屋』は、江戸川乱歩的な倒錯した世界観をベースにしながら、現代的な映像とキャスティングで組み直したエロティック・サスペンスです。
教師と少女、そこに絡む大人の女たちという構図を通して、欲望や執着、支配と依存といったテーマをじわじわ掘り下げていくつくりになっています。派手な展開というより、薄暗い部屋や赤い色彩、視線の交錯といったディテールで不穏さを積み重ねていくタイプの作品ですね。
栗林藍希や川上奈々美、波岡一喜それぞれの“危うい一面”を引き出しつつ、濡れ場やヌードも単なるサービスに終わらせず、キャラクターの心情を映すパーツとして配置しているのが印象的でした。
観る人を選ぶ題材ではありますが、乱歩作品のねっとりした雰囲気や、少し歪んだ人間関係が好きな方には、一度試してみてほしい一本です。エロスとサスペンス、そのどちらの温度も感じられる、ちょっとクセのある作品でした。
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